「ポンペイの輝き　古代ローマ都市　最後の日」

　本展最大の目玉は、ポンペイ近郊のモレージネ地区で発見された高さ2.5メートル、幅5メートル近くある巨大な三面壁画「竪琴弾きのアポロ」の展示です。壁画によって構成された空間は、かつてローマ人たちが贅の限りを尽くして饗宴を繰り広げたトリクリニウム（食堂）を示します。また一方で、サージ（400度にも達する高温のガスと火山灰などを含む濃密な灰雲、火砕流本体よりも高速に移動する）の襲来で犠牲になった人々の宝飾品や装身具の展示、命あるものすべてを死へと追いやった噴火の悲劇もお伝えします。最も繁華で重要な都市のひとつであったポンペイの最後の19時間にわたった悲劇をまるで追体験するような展覧会です。