
記者発表会に登壇した上白石萌音さん
パリ・オルセー美術館の傑作が一堂に会する展覧会が今秋開催されることとなり、都内で記者発表が行われた。
展覧会は19世紀末のパリに生きた印象派の画家たちが描いた、室内を舞台とした作品に焦点をあてたもの。彼らの視線の繊細さや、親密な空間のなかでの人々の営みがどのように表現されてきたかをひもといていく。
「印象派=戸外の風景画」という一般的なイメージを覆す企画といえる。
展覧会ではドガの鋭い人物描写や、ルノワールの柔らかく包みこむような室内表現など、印象派が見つめた「内なる風景」約100点の作品が、「室内の肖像」「日常の情景」「室内の外光と自然」「印象派の装飾」の4章で紹介される。
なかでも注目は、毎年約400万人が訪れ「印象派の殿堂」とも称されるされるパリのオルセー美術館が所蔵する名品68点。これほどの規模で同館の印象派作品が来日するのはおよそ10年ぶりとなる。
エドガー・ドガ初期の傑作で、鋭い人間観察に基づいた大作《家族の肖像(ベレッリ家)》は、初来日となる。
この日の発表会には展覧会アンバサダーと音声ガイドナビゲーターを務める俳優・歌手の上白石萌音さんも登壇し、展覧会について「絵の前に立つと当時の空気を感じるようで、まるでタイムスリップしたような感動がある。印象派の室内画から暮らしの気配を感じてほしい」とコメント。
音声ガイドについては「声を当てる際は対象に心を寄せることを大切にしている。作品の息づかいを感じながら、来場者に寄り添う音声ガイドを届けたい」と、意気込みを語った。
「オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語」は国立西洋美術館で、2025年10月25日(土)〜2026年2月15日(日)に開催。
観覧料は一般(当日券)が2,300円など

国立西洋美術館「オルセー美術館所蔵 印象派―室内をめぐる物語」