ミヒャエル・ゾーヴァの世界展

　まるで貴婦人のようにすました顔で、肖像画の中に納まっている鳥。美しい田園の中を、大きな熊と一緒に散歩している女の子。いたずらそうな目つきでスープ皿の中を歩き回る豚…。可愛らしさとユーモアと、どこかただならぬ気配とが同居するミヒャエル・ゾーヴァの不思議な世界。ドイツ生まれの画家・ゾーヴァはいま、世界が最も注目する優れた芸術家の一人です。 　1994年に出版された『ちいさなちいさな王様』の挿絵で、一躍世界の注目を集めたゾーヴァは物語や絵本の挿絵を中心に、独自の世界を飄々と築き上げてきました。大ヒットしたフランス映画『アメリ』の美術やオペラ『魔笛』の舞台美術を手がけ、さらには2006年3月公開予定の『ウォレスとグルミット　野菜畑で大ピンチ！』の美術にも参画するなど、ジャンルを超えた世界で活躍し続けるゾーヴァ。その作品は常に一つのアートとしての驚くべき力と質の高さを持ち、日本のみならず世界の多くのファンを魅了しています。