企画展「一休さんと仙厓さん　-時空を越えた二大禅僧の出会い-」

　つまり、二人の禅僧の間には実に約300年もの時間的な隔たりがあり、活躍した時代も場所もまったく異にしていますが、今日ではアニメや逸話を集めた物語を通して、いずれもユーモアとウィットに富んだ頓知僧として、あるいは当世の権勢におもねることのない反骨精神旺盛な僧として広く一般に知られています。 　本展では、出光コレクションの中から、一休さんと仙厓さん、それぞれの書や画賛類を選んで、様々な頓知話や当時の権威に果敢に立ち向かっていくエピソードで知られる二人の僧の実像に迫ってみたいと思います。 　なお、今回出品される一休さんゆかりの作品の多くは「床菜庵コレクション」と呼ばれています。このコレクションには応仁の乱を避けて大阪の住吉に一時滞在した頃の一休さんが開いた庵である床菜庵に伝わっていたとされる墨跡や、一休さんによる賛が施された頂相（一休さんの禅の系譜をしめす祖師たちの肖像画）などを含んでおり、そのほかの作品と合わせて門司初公開で、九州でも15年ぶりの展示となります。