第10回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展帰国展

    藤森建築と路上観察

    東京オペラシティ アートギャラリー | 東京都

    「見たこともないのに懐かしい」 藤森照信の「野蛮ギャルド建築」 屋根にタンポポやニラが植えられた住宅、皮付きの木材を柱にした巣箱のような茶室。藤森照信の作品は、建築の通念を軽やかに超えた新しさと、遠い記憶を呼び起こさせる懐かしさを併せ持った、きわめて独創的な建築として知られています。20世紀の近代主義が創造したのは科学技術に裏打ちされた機能的な建築でした。自然との関係や歴史性、地域性を排し、国際的普遍性を備えた建築は「インターナショナル・スタイル」と呼ばれ、新しい建築の方向性を示す運動として認められる一方、無機質な人工物を量産した結果、都市の表情を奪う要因ともなりました。現代の建築家がこうした矛盾を克服しようと未来に向かって模索する中、藤森は自然の素材、地域に残る昔ながらの技法など近代建築が排したものを取り入れた「過去に向かっての前衛」を試みました。国家や民俗、建築様式が生まれる以前の、いかなる枠組みにもとらわれないインターナショナルにしてヴァナキュラー*な藤森建築は、施工にあたり、藤森自身、友人、施主からなる「縄文建築団」が参加して手作りすることも特徴です。 会場では、処女作《神長官守矢史料館》から今年4月に竣工予定の最新作《ねむの木美術館》にいたる藤森の全作品が紹介されるとともに、ヴェネチアでも好評を博した竹と縄で編まれたドーム型シアターが更にスケールアップして「縄文建築団」によって再び制作されます。「自然素材と植物を使って建築と自然の関係を根本から考え直し、かつ人類がはじめて建築という人工物を作った時点に迫りたい」という藤森の試みは、手仕事で仕上げた壁面、屋根、木仕上(もくしあげ)の見本でも明らかにされ、空想上の建築と見まがうばかりの藤森作品をリアルに体感する場となります。
    会期
    2007年4月14日(土)〜7月1日(日)
    会期終了
    開館時間
    11:00~19:00、金曜・土曜日は~20:00まで(入館は閉館30分前まで)

    ※ただし、展示により変更の可能性があります
    料金
    一般 1,000円(800円)、大学・高校生 800円(600円)、中学・小学生 600円(400円) *「収蔵品展023 こことそこの間」、「project N 29 須藤由希子」の入場料を含みます。 *( )内は15名以上の団体料金 *その他割引(半額)=閉館1時間前以降の入場、65歳以上、Arts友の会会員 *土・日および祝日は中学・小学生無料。 *割引の併用および払い戻しはできません。
    休館日 月曜日(ただし4月30日[月]は開館)
    会場
    東京オペラシティ アートギャラリー
    住所
    〒163-1403 東京都新宿区西新宿3-20-2
    050-5541-8600(ハローダイヤル)
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