紙わらべ～高木栄子作品展～

　高木先生のつくられる和紙人形「紙わらべ」は、手のひらに乗ってしまう程の小さな愛らしい人形です。顔は描かれていませんが、喜怒哀楽は体の表現で表され、それがより一層人形たちをいきいきと見せてくれます。特に四季折々の子どもの遊びや日常の一場面を切り取った風景は、今にも子どもたちの声が聞こえてきそうです、昭和初期の風景をそのまま切り取ったような世界は、高木先生の幼少期の楽しい思い出がそのまま表されています。 　高木栄子先生は幼い頃から和紙に惹かれ、独学で和紙人形の創作を始められました。試行錯誤を重ねて生み出された「紙わらべ」は、和紙ならではの特性を生かして温かみに溢れています。皇室に献上されたほか、NHK「婦人百科」に紹介されたり、各地のデパートや海外でも展示会が開催され、多くの人々を魅了してきました。代表作に加え、本展示では、今回のために制作された高木先生の最新作も展示されます。 　現在も、各地を飛び回りながら寝る間も惜しんで創作活動を続けていらっしゃる高木先生ですが、会期中には、直接ご指導いただける「和紙でつくる干支飾り」の講習会も開催します。かわいらしい干支飾りと先生の温かいお人柄に惹かれて、毎年参加される方も多い人気の講習会です。 　見ているだけで心なごみ、郷愁を誘う、小さな愛らしい和紙人形「紙わらべ」の世界を、心ゆくまでお楽しみください。