チュニジア世界遺産　古代カルタゴとローマ展

　カルタゴは、エジプトやギリシャをはじめとする地中海世界での異文化交流と海上交易で繁栄を極め、大国として長く覇権を握りますが、やがて成長著しい新興国ローマとの直接対決を余儀なくされ、悲劇的結末により一旦幕を閉じます。しかし、カルタゴはここからローマの要衝都市としてよみがえり、再び円熟期をむかえるのです。カルタゴはその歴史のドラマ性により、多くの人々の関心を呼び、近年フランス、ドイツ、アメリカなどでも大規模な展覧会が開催されました。 　本展では、1章「地中海の女王カルタゴ」と2章「ローマに生きるカルタゴ」の2つのテーマにより、カルタゴのダイナミックな歴史を概観します。出品はチュニジア国立博物館群より160点余の貴重な作品で、地中海文明の結晶ともいえる美術工芸品や、カルタゴ人の精神性を物語る墓地からの出土品、またローマ時代に花開いた“石の絵画”モザイクなど多彩な展示品が並びます。