本展は平成22年度に開始された茨城県歴史の道調査事業(茨城県教育庁文化課主催、国庫補助)において調査中の市内古道「鎌倉街道」と「小栗道」発見の経過について、現地取材写真、考古資料、古文書、伝承など、道にまつわる様々な情報を紹介するものです。
桜川市の鎌倉街道は、今から800年ほど前、鎌倉時代から戦国時代頃まで使われた軍道とされる古道です。桜川市北部の岩瀬地区は、かつて中郡荘と呼ばれ、結城合戦で足利春王丸、安王丸が旗揚げした城「中郡庄木所城」がある地域です。鎌倉街道は、この木所城(橋本城に推定)から中郡荘を東西に駆け抜けるようにつくられており、南北の鎌倉街道もあわせて発見されました。古道付近には中世武士の伝承や資料、古道らしい景観が、おどろくほど良く残っています。
小栗道はおよそ1300年前の奈良時代頃から現代に受け継がれた南北古道で、古代の新治郡、白壁郡をつなぎ、常陸国府(石岡市)へと至る官道と推定されます。中世には筑波山信仰や熊野信仰などの信仰道、あるいは富有人と呼ばれた大富豪が拠点を構え、富を生む基幹道として、筑波山北西地域の重要道と推定されています。そして小栗道は、筑波山を目指すかのように一直線に伸びる景観も素晴らしく、古代人のながめた美しい風景を今も体験することができます。
展示場では、詳細なルートマップや多くの現地写真を展示し、年代の参考となる考古資料、古文書など、多くの情報を見学できます。
桜川市の新たな歴史資源である鎌倉街道と小栗道の魅力をぜひ、ご覧ください。