資生堂アートハウスは 1978年11月 静岡県掛川市に開館し、以来、地域における美術館として、百回を超える展覧会を開催してまいりました。開館40周年を記念して開催される「資生堂アートハウス名品展 後期」は、前期展に引き続き、資生堂が1947年から現在まで断続的に開催している「椿会美術展」と、1975年から1995年にかけて開催した「現代工藝展」の出品作を中心に、洋画、陶芸、ガラス工芸、金工、現代美術を併せた約80点を展覧いたします。
企業がお客さまとのより良き関係を培っていくうえで何ができるのか、40年間に亘る美術館の運営とコレクションの無料公開はそのような問いかけへの私どもの一つの答えでした。
資生堂の商品と資生堂の企業文化は分かち難い関係にあり、また、芸術への理解と共感はわが社の企業文化の重要な柱の一つです。アートハウスは、このような資生堂の精神、そして、企業理念である「美しい生活文化の創造」を美術館の活動として体現する場として在り続けてきました。
40年という歳月は、アートハウスの誕生をその目で見、足を運んでくださった方々が、次の世代を育むに十分な永さです。その間に私どもは何を成し得、そしてまた、これから何を成していくことができるのでしょうか。
願わくは、このささやかな美術館の活動が、それらに接してくださった方々の身の内に留まり、今現在、あるいはこの先の未来において、心身に花を添え、気高さや、幸福へとつながる道を照らす燈火となることができれば、まことに幸甚です。