当ミュージアムは、兵庫県香美町の高野山真言宗大乗寺に残された円山応挙とその一門の障壁画と、それらの織り成す宗教的思想空間(立体曼荼羅)をご覧いただくために開設いたしました。
大乗寺は江戸時代中期(18世紀)、密蔵上人(1776年-享保元年~1786年-天明6年 71才没)、密英(1753-宝暦3年~1802-享和2年 50才没)両上人により客殿造営がなされ、このとき円山応挙一門により多くの絵が収められ今日に至っています。
一方、障壁画を収蔵することで応挙の意図した宗教空間が消失してしまいます。
そのために最新のデジタル技術によって製作される「デジタル再製画」(精巧なレプリカ)を客殿に収め、障壁画空間を再現する計画が進んでいます。
「デジタル再製画」の完成により、大乗寺客殿でこそ活きるこれらの障壁画空間を将来にわたり体現することが可能となります。また「デジタル再製画」を製作するために、「香住町文化財デジタル化事業」の一環として障壁画165面の撮影とそのデジタルデータ化を終えています。
大乗寺円山派デジタルミュージアムは、これら「デジタル再製画」のためのデータを用い、広く皆様にご覧いただけるように企画したものです。
大乗寺のもつ文化財とその障壁画空間をインターネットを通じてより具体的にイメージしていただけること、大乗寺ご訪問の際の参考にしていただけることなどを意図しています。