
パナソニック汐留美術館「ウィーン・スタイル ビーダーマイヤーと世紀末」
ウィーンの生活文化に根ざした工芸やデザインの変遷を紹介する展覧会が、東京ではじまる。
ウィーンは、19世紀から20世紀初頭にかけて、ビーダーマイヤー様式と世紀末ウィーンという、独自のモダン・スタイルを築いてきた。
展覧会では、同地の文化における二つの重要な時代に焦点を当て、銀器、陶磁器、ガラス、ジュエリー、ドレス、家具など、多彩な作品を通して両時代の美意識を探る。
ビーダーマイヤー様式は、簡潔で実用的、そして抑制の効いた装飾が特徴で、家庭の中での快適さや、生活に密着した実用性を重視していた。
このスタイルは後のウィーン工房のデザイン思想にも影響を与え、手工業の技術の高さや、自然をモチーフとした詩的な造形などが、世紀末の芸術家たちによって再評価された。
会場では、オットー・ヴァーグナーやヨーゼフ・ホフマン、コロマン・モーザーらによる幾何学的なデザインの家具や工芸品を紹介。幻想的な装飾性を持つダゴベルト・ペッヒェやマリア・リカルツによるウィーン工房後期の作品も展示される。
また、グスタフ・クリムトやオスカー・ココシュカによる肖像画や素描も並び、当時の文化的背景を補完する。
さらに、女性パトロンや文化人、女性デザイナーたちの活動にも注目し、単なる様式史にとどまらない、より広い視野からウィーンのモダンスタイルを検証する。
「ウィーン・スタイル ビーダーマイヤーと世紀末 生活のデザイン、ウィーン・劇場都市便り」は、パナソニック汐留美術館で2025年10月4日(土)〜12月17日(水)に開催。入館料は一般 1,500円など。

パナソニック汐留美術館「ウィーン・スタイル ビーダーマイヤーと世紀末」

パナソニック汐留美術館「ウィーン・スタイル ビーダーマイヤーと世紀末」

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