来年開催される特別展「黄金のアフガニスタン ─ 守りぬかれたシルクロードの秘宝 ─ 」について、2015年11月10日（火）、都内の駐日アフガニスタン・イスラム共和国大使館で記者発表が行われた。

展覧会は、古くから「文明の十字路」として栄えたアフガニスタンにある４か所の古代遺跡から出土した“秘宝”を紹介する企画で、かつて首都カブールにあるアフガニスタン国立博物館で所蔵されていたもの。

博物館は1979年のソ連侵攻とそれに続く内戦、偶像崇拝を禁ずるタリバンによる政権掌握で甚大な被害を受け、文化財も失われたと思われていたが、とりわけ貴重な文化財は博物館員が秘密裏に運び出し、隠された場所に秘匿。タリバンのたび重なる追及にも秘密を守り、家族にも知らせずに命がけで守ってきた。

展覧会は2006年のギメ東洋美術館（フランス）を皮切りにワシントンナショナルギャラリー、メトロポリタン美術館（ともに米国）、大英博物館（英国）など、世界10カ国を巡回。すでに170万人以上が来場者している。

また日本展では故・平山郁夫氏の主導のもとで発足した「流出文化財保護日本委員会」が2001年より保護・保管してきた「アフガニスタン流出文化財」102点のうち、15点を展示。展覧会後には102点全てがアフガニスタンに返還される。

構成は遺跡別で「テペ・フロール　先史時代（前2100年～前2000年頃）」「アイ・ハヌム　グレコ・バクトリア王国時代（前3世紀～前2世紀）」「ティリア・テペ　サカ・パルティア時代（前1世紀～1世紀）」「ベグラム　クシャーン朝時代（1～3世紀）」の４章と、「流出文化財 ようやく返還かなう」による５章構成。

展覧会のスペシャルナビゲーターには、俳優の鈴木亮平さんが就任。鈴木さんは展覧会について「展覧会の前からワクワクがとまらない。歴史的価値に加え、文化財を守りぬいた人々の思いも詰まっているので、（紹介ビデオを見ただけで）泣きそうになった。早く展覧会を見たい」」と意気込みを語った。鈴木さんは展覧会の音声ガイドにも初挑戦する。

特別展「黄金のアフガニスタン ─ 守りぬかれたシルクロードの秘宝 ─ 」は、九州国立博物館で2016年1月1日（金・祝）～2月14日（日）、東京国立博物館・表慶館で2016年4月12日（火）～6月19日（日）に開催。東京展は当日券が一般 1,400円、大学生 1,000円、高校生 600円。早割ペア前売券（2枚 2,000円）、グッズ付前売券（1,200円）は、2015年11月11日（水）から発売。
　発信：インターネットミュージアム

＞「黄金のアフガニスタン ─ 守りぬかれたシルクロードの秘宝 ─ 」公式サイト