ロシアのサンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館。ロマノフ王朝の宮殿だった壮麗な建物に約300万点の所蔵作品を持つ、世界有数の美術館です。
本展では所蔵作品の中から、16世紀から20世紀までの西洋美術の名画を紹介するものです。
第1章「16世紀 ルネサンス:人間の世紀」展覧会は5章構成です。
第1章 「16世紀 ルネサンス:人間の世紀」
第2章 「17世紀 バロック:黄金の世紀」
第3章 「18世紀 ロココと新古典派:革命の世紀」
第4章 「19世紀 ロマン派からポスト印象派まで:進化する世紀」
第5章 「20世紀 マティスとその周辺:アヴァンギャルドの世紀」
世紀別に内容を構成し、その世紀を代表するにふさわしい国、地域とその作品に焦点を当てています。
第3章「18世紀 ロココと新古典派:革命の世紀」壁面を各章ごとに色分けし、エルミタージュの豪華な宮殿の雰囲気を意識したという会場構成。
出品作には大型のものも多く、ピエール=ナルシス・ゲランの《モルフェウスとイリス》は251x178cmという大作ですが、天井高が高い国立新美術館では大きな作品も存分に堪能できます。
奥の縦長の大作が、ピエール=ナルシス・ゲランの《モルフェウスとイリス》約30年ぶりの来日となったマティスの《赤い部屋(赤のハーモニー)》に注目が集まっていますが、ヨーロッパ絵画の通史を辿れるような構成なので、自分好みの絵画を探せるのも本展の魅力です。
筆者イチオシは《女帝マリア・アレクサンドロヴナの肖像》。マリアは後のロシア皇帝アレクサンドル2世の皇后。病弱だったというマリアの透けるような肌と華麗な宝飾品が見事に描かれています。
フランツ・クサファー・ヴィンターハルター《女帝マリア・アレクサンドロヴナの肖像》ロシア国外では最大規模という豪華展で、出品作のほとんどは通常はエルミタージュ美術館の常設展示作品。本展の後に
名古屋市美術館(2012年7月28日~9月30日)、
京都市美術館(2012年10月10日~12月6日)に巡回します。(取材:2012年4月24日)