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レポート
ミュシャ財団秘蔵 ミュシャ展―パリの夢 モラヴィアの祈り
森アーツセンターギャラリー | 東京都
意外な素顔の“アール・ヌーヴォーの旗手”
チェコ人としてのアイデンティティ、油彩画家としての顔、ポスターとは全く違う素描…。「あなたが知らない本当のミュシャ」に迫ります。
≪ヤロスラヴァの肖像≫(左)
≪パレットを持った自画像≫(左)
≪ネスレ社の奉祝ポスター(ヴィクトリア女王即位60年記念)≫(左)
左から≪裸婦≫≪薔薇色の布をまとった裸婦≫
ミュシャは1880年代から写真を撮っていた
≪スラヴ叙事詩 第9番<クジージュキの集会>≫の下半分の下絵(右)は、世界初公開
左から≪1918-1928:チェコスロヴァキア共和国独立10周年記念≫≪第8回ソコル祭≫
プラハ聖ヴィート大聖堂のステンド・グラスの下絵
オフィシャルサポーターはタレントのベッキーさん
特に日本で絶大な人気を誇るアルフォンス・ミュシャ。ミュシャをとりあげた展覧会は毎年のように行われていますが、“アール・ヌーヴォーの旗手”というテーマで括られることがほとんどです。

実は、ミュシャがアール・ヌーヴォーの作家としてパリで活躍していたのはわずか10年ほど。ミュシャの活動キャリアは60年に及ぶため、アール・ヌーヴォーはミュシャの一面に過ぎないのです。

展覧会ではミュシャの作品だけでなく、その思想や理念にも着目。今までにない試みで、ミュシャを多面的に掘り下げていきます。


もちろん、アール・ヌーヴォーの旗手としての作品も紹介。こちらは第3章です。

ミュシャは1860年に誕生。挿絵などの仕事をしていましたが、パリに渡って手がけた、フランスの大女優サラ・ベルナールの芝居宣伝ポスターが大ヒットし、一躍時代の寵児になりました。

帰国後は祖国のための仕事を精力的に行いますが、チェコスロヴァキアはナチスドイツの侵攻にあって解体。ミュシャ自身もゲシュタポに逮捕されています。

1939年に78歳で永眠。当時はドイツ軍によって集会が禁止されていましたが、多くの人が弔問に訪れるなど、国民に愛された芸術家でした。


第1章「チェコ人ミュシャ」

展覧会の注目のひとつが、油彩画家としてのミュシャ。ミュシャの作品といえばカラーリトグラフが代表的ですが、本展では30点以上の油彩を紹介。その作品は、従来のイメージとはかなり異なります。

第4章「美の探究」に4点並んだ油彩のうち、最後の1枚≪花に囲まれた理想郷の二人≫は、なんと世界初公開です。


第4章「美の探究」

展覧会メインビジュアルに使われているのは≪ヤロスラヴァの肖像≫。ヤロスラヴァはミュシャが49歳の時に生まれた長女で、ミュシャによって繰り返し描かれ、チェコの紙幣のデザインでもモデルになっています。

頭に巻かれた白い布は、チェコの民族衣装。ミュシャはチェコ人ですが、ミュシャが生まれた当時はオーストリア帝国の支配化。列強による帝国主義が台頭する時代の中で、ミュシャはチェコ人としての強いアイデンティティを持ち続けました。


≪ヤロスラヴァの肖像≫

表層だけで「優雅」「華麗」と決め付けられてしまうミュシャの深遠にあったのは、意外なまでに骨太な素顔。「ミュシャって、アール・ヌーヴォーのポスターの人でしょ?」という方こそ、見ていただきたい展覧会です。(取材:2013年3月8日)

ミュシャの世界

新人物往来社 (編集), 堺市立文化館 アルフォンス・ミュシャ館 (協力)

新人物往来社
¥ 2,310

料金一般当日:1,500円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon

 
会場
会期
2013年3月9日(土)~5月19日(日)
会期終了
開館時間
※展覧会によって異なります。
休館日
4月25日(木)
住所
東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー52階
電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式サイト http://www.ntv.co.jp/mucha/
料金
【当日】
一般 1,500円 大学生 1,200円 中高生 800円
【前売/団体】
一般 1,300円 大学生 1,000円 中高生 600円
※団体料金は15名以上で適用
※小学生以下無料
※障がい者手帳をお持ちの方と、付き添いの方1名までは入館料半額
※詳細はミュシャ展公式HPをご覧ください。
展覧会詳細 ミュシャ財団秘蔵 ミュシャ展-パリの夢 モラヴィアの祈り 詳細情報
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