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    ディズニー・アート展《いのちを吹き込む魔法》
    大阪市立美術館 | 大阪府

    大阪市立美術館「ディズニー・アート展《いのちを吹き込む魔法》」

    撮影・文 [エリアレポーター]胤森由梨 / 2017年10月13日
    ディズニーをアートな視点で見る!ミッキーマニア垂涎の作品が大阪に大集結!
    ディズニーアート展が絶賛開催中ですよ。

    世界の第一線で活躍する巨匠、スティーヴン・スピルバーグ監督もディズニーの大ファンとして知られ、「僕の映画の先生はデビッド・リーン、黒澤明、スタンリー・キューブリック、そしてウォルト・ディズニーだ」と述べています。

    これほどまでに人々を惹きつけてやまないディズニー・アニメーションはどのようにしてキャラクターに「いのちを吹き込む」魔法をかけていくのでしょうか?
    その謎にせまる展覧会が大阪市立美術館で開催中です。

    私がこの展覧会で一番気になったのは「コンセプト・アート」。
    この言葉を耳にしたことはあるでしょうか。

    ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオでは、アニメーションを作る前に、アニメーターそれぞれが、あるコンセプトに基づいて自分のイメージするキャラクター像(性格や動作、ルックスなど)を描いたデザイン画を出し合います。
    このデザイン画のことを「コンセプト・アート」というのですが、この「コンセプト・アート」を描く段階こそ、ディズニー・アニメーションにいのちが吹き込まれる最初の瞬間といえるのではないでしょうか。

    中には、実際のアニメーションではボツになった作品も展示されているので、一点一点じっくりとご覧ください。ディズニーファンにとっても、そうでなくてもとても貴重な機会になるかと思います。


    ©Disney

    1920年代映画がサイレント(無声映画)から動きと音が完全にシンクロしたトーキーへと移り変わる技術革新の最中、ディズニー・アニメーションとしては第一作目となる《蒸気船ウィリー》が公開されました。
    写真の右のほうで上演されています。

    《蒸気船ウィリー》は、「動き」に対応した「音」が流れるという点でまさに革新的でした。
    これまではただの絵の動きにすぎなかったものが、音を伴うことによって、よりリアルになり、アニメーション文化の飛躍的な向上に寄与したことは間違いないでしょう。


    ©Disney

    《白雪姫》はディズニー・スタジオが初めて制作した長編のアニメーション映画。
    「コンセプト・アート」にぜひご注目ください。

    実は、「コンセプト・アート」段階では、白雪姫を赤髪にするという案もあったそうです。


    ©Disney

    ディズニー・アニメーションでは、1950年代に入ると、ベテランのアニメーターに加え、新進気鋭のアーティストたちが加わり、「コンセプト・アート」も多様化していきます。

    《不思議の国のアリス》を担当したメアリー・ブレアの「コンセプト・アート」は色鮮やかでとってもおしゃれです。メアリー・ブレアはディズニー時代に、カラー・スタイリストとしてコンセプト・アートを数多く手がけましたが、ディズニーを退社後、1964年に開催されたニューヨーク万国博覧会で『イッツ・ア・スモールワールド』のデザインも手がけています。


    ©Disney

    J・L・ド・ボーモン原作の『美女と野獣』がディズニー・アニメーションの手によって、ミュージカルになりました。

    《美女と野獣》のコーナーでは、実際にはボツになったコンセプト・アート」が展示されています。
    ボツになったコンセプト・アートは諸事情により撮影できませんでしたが、この作品では「野獣」が、マントヒヒ(なんと!)をモデルに描かれているので是非ご覧ください。
    あの野獣に見慣れている私たちからすると、「マントヒヒがモデルの野獣」はなかなか斬新です・・・。

    最後に展覧会風景をご紹介します。


    ©Disney

    展覧会入り口でまずお出迎えしてくれるのが、「いのちを吹き込む」最初の場所、アニメーターズ・デスクです。


    ©Disney

    こちらは《わんわん物語》(1955年)のストーリー・スケッチや背景画を紹介するコーナーです。
    犬のラブストーリーをテーマにした《わんわん物語》はアメリカで「最もロマンチックな作品100」に選ばれたこともあるそうです。

    本展覧会では、ディズニー・アニメーション初期のミッキーマウスから、最新作の《モアナと伝説の海》に至るまでの450点以上の原画が展示されています。

    ディズニーの「いのちを吹き込む」魔法をぜひ会場でご体感ください。

    会場大阪市立美術館
    開催期間2017年10月14日(土)~2018年1月21日(日)
    休館日月曜日(12月25日、1月8日は開館)、12月28日(木)~1月2日(火)、1月9日(火)
    開館時間9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
    所在地大阪市天王寺区茶臼山町1-82
    06-4301-7285
    HP : http://www.ytv.co.jp/da-osaka/
    料金一般 1,600円、大学・高校生 1,200円
    展覧会詳細へ 「ディズニー・アート展《いのちを吹き込む魔法》」詳細情報
    エリアレポーターのご紹介
    胤森由梨 胤森由梨
    美術が大好きなアートライターです。美術鑑賞に関わる仕事を広げていきたいと思っています。現在、instagram「tanemo0417」「artgram1001」でもアート情報を発信中です! ブログ「たねもーのアート録」http://tanemo-art.com/

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    会場
    大阪市立美術館
    会期
    2017年10月14日(土)〜2018年1月21日(日)
    会期終了
    開館時間
    9:30~17:00(入館は16:30まで)
    休館日
    月曜日(12月25日、1月8日は開館)、12月28日~1月2日、1月9日 ※災害などにより臨時で休館となる場合あり。
    住所
    〒543-0063 大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-82【天王寺公園内】
    電話 06-6771-4874
    公式サイト http://www.osaka-art-museum.jp/sp_evt/disny-art
    料金
    一般1,600円(1,400円)
    高大生1,200円(1,000円)
    展覧会詳細 ディズニー・アート展《いのちを吹き込む魔法》 詳細情報
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