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    レポート
    ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展 ─ 印象派を魅了した日本の美
    世田谷美術館 | 東京都
    ジャポニスムの代表作、修復後世界初公開
    19世紀後半から20世紀初頭にかけて欧米を席巻したジャポニスムをテーマに、ボストン美術館から148点が来日。初期ジャポニスムを代表するモネ《ラ・ジャポネーズ》は、修復後世界初公開です。
    クロード・モネ《ラ・ジャポネーズ(着物をまとうカミーユ・モネ)》1876年 1951 Purchase Fund 56.147
    (左から)アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《『レスタンプ・オリジナル』第1年次のための表紙》1893年 Bequest of W. G. Russell Allen 60.747 / ジェームズ・ジャック・ジョセフ・ティソ《新聞》1883年 Katherine E. Bullard Fund in memory of Francis Bullard 2011.109
    (左から)ジョン・スローン《春の花》1924年 Gift of Miss Amelia E. White 67.1162 / ロバート・アール・ヘンライ《サイドウォーク・カフェ》1899年頃 Emily L. Ainsley Fund 59.657
    (左から)楊洲周延《上野不忍共同競馬会社開業式之図》明治17年(1884)10月24日 Jean S. and Frederic A. Sharf Collection 2000.491a-c / アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《騎手》1899年 Bequest of W. G. Russell Allen 60.768
    (左から)歌川国貞《(虎)》文政13年(1830)1月 William Sturgis Bigelow Collection 11.25970 / ポール=エリー・ランソン《密林の虎》1893年 Bequest of W. G. Russell Allen 63.412
    (左から)フランク・ウェストン・ベンソン《銀屏風》1921年 A. Shuman Collection-Abraham Shuman Fund 1979.615 / エドゥアール・ヴュイヤール《ガラス花瓶の薔薇》 1919年頃 Bequest of Mrs. Edward Wheelwright, by exchange, and Paintings Department Special Fund 41.107
    (左から)チャールズ・キャリル・コールマン《つつじと林檎の花のある静物》1878年 Charles H. Bayley Picture and Painting Fund, Paintings Department Special Fund, American Paintings Deaccession Fund, and Museum purchase with funds donated by William R. Elfers Fund, an anonymous donor, Mr. and Mrs. E. Lee Perry, Jeanne G. and Stokley P. Towles, Mr. Robert M. Rosenberg and Ms. Victoria DiStefano, Mr. and Mrs. John Lastavica, and Gift of Dr. Fritz B. Talbot and Museum purchase with funds donated by Mrs. Charles Gaston Smith‘s Group, by exchange 2001.255 / エドゥアール・ヴュイヤール《ガラス花瓶の薔薇》1919年頃 Bequest of Mrs. Edward Wheelwright, by exchange, and Paintings Department Special Fund 41.107
    (左から)クロード・モネ《トルーヴィルの海岸》1881年 The John Pickering Lyman Collection—Gift of Miss Theodora Lyman 19.1314 / クロード・モネ《積みわら(日没)》1891年 Juliana Cheney Edwards Collection 25.112
    会場

    200年余の眠りから覚め、1854年に開国した日本。幕末の日本人は欧米の近代文明に衝撃を受けましたが、逆に欧米人も日本の美術表現に驚嘆し、当時の芸術運動に大きな影響を与えました。展覧会では5章構成で、ボストン美術館が所蔵するジャポニスムの名品を紹介します。


    第1章は「日本趣味 ジャポネズリー」。日本的な表現は斬新なものとして受けとめられて、その趣向を取り入れた製品も作られました。現在でも続く高級宝飾ブランド、ブシュロン社が1876年に制作した《インクスタンド》も、そのひとつ。ボール・ルグランのデザインの中には、様式化された花魁や富士山の姿が見てとれます。


    会場入口から、第1章「日本趣味 ジャポネズリー」


    第2章は「女性」。展覧会の目玉であるクロード・モネ《ラ・ジャポネーズ》も、ここで紹介されています。額装も入れると高さが3m近くにもなる大作です。


    「睡蓮」などで知られるモネですが、初期には肖像画も数多く描きました。モデルとなった妻のカミーユは褐色の髪ですが、あえて金髪のかつらをかぶせる事で「日本人の姿をしたパリジェンヌ」を強調しています。


    この頃のモネは、パトロンが倒産するなど厳しい時代。この作品での商業的な成功を強く望んでいました。200フランの見積もりで販売会に出品したところ、なんと売却価格は2,020フラン。高い値段に驚いたセザンヌが、ピサロに手紙を送っているほどです。ただ、実は購入したのはモネ自身。意図的に値段を吊り上げた可能性も指摘されています。


    第2章「女性」と、クロード・モネ《ラ・ジャポネーズ》


    第3章は「シティ・ライフ」。近代化によって都市が発達する中で、人々の生活も大きく変化していきました。


    この章では、競馬や演劇など新しい娯楽に沸くパリ・ロンドン・ニューヨークを展観。当時の日本の風俗も紹介します。


    第3章「シティ・ライフ」


    本展はボリュームたっぷり、会場は2階にも続きます。


    第4章は「自然」。四季折々の自然の姿を、日本の美術は版画や漆器、絹製品、陶磁器などで表現してきました。ジャポニスムの芸術家たちは、その手法を装飾工芸などに取り入れていきます。


    日本の画家と西洋の画家が、同じモチーフを描いた作品を並べて紹介する楽しい趣向も。三代歌川広重とマネによる猫の絵、歌川国貞とポール=エリー・ランソンによる虎の絵が並びます。


    第4章「自然」


    最後は第5章「風景」。浮世絵に見られる斬新な構図や大胆な色使いは、守旧的なアカデミズムへの対抗を模索していた画家の心をとらえました。


    会場最後の楕円形の展示室には、ふたたびモネの作品が登場します。《積みわら(日没)》や《睡蓮》などの風景画は《ラ・ジャポネーズ》ほど直接的ではないものの、その構図や精神性に強いジャポニスム的要素が含まれています。


    第5章「風景」


    《ラ・ジャポネーズ》だけでも十分満足できると思いますが、他も見どころたっぷり。会期は長めですが、大型企画展は会期末に近づくほど混雑が激しくなります。お早目にお出かけください。


    本展は、東京展の後は京都と名古屋に巡回。2014年9月30日(火)~11月30日(日)に京都市美術館で、2015年1月2日(金)~5月10日(日)に名古屋ボストン美術館で開催されます。また日本巡回終了後は、カナダのケベック国立美術館、サンフランシスコのアジア美術館でも開催される予定です。

    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年6月27日 ]




     

    料金一般当日:1,500円 ほか
     → チケットのお求めはお出かけ前にicon

    会場
    会期
    2014年6月28日(土)~9月15日(月・祝)
    会期終了
    開館時間
    10:00~18:00(入場は閉館30分前まで)
    休館日
    月曜日休館 ただし7月21日(月・祝)、9月15日(月・祝)は開館、7月22日(火)は休館
    住所
    東京都世田谷区砧公園1-2
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://www.boston-japonisme.jp/
    料金
    一般 1,500(1,300)円/65歳以上 1,200(1,000)円/大高生 900(700)円/中小生 500(300)円
    ※( )内は前売および20名以上の団体料金
    ※障がい者の方は500円(介助の方1名までは無料)、大高中小生の障がい者の方は無料
    展覧会詳細 ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展 ─ 印象派を魅了した日本の美 詳細情報

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