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    レポート
    松竹梅 新年を寿ぐ吉祥のデザイン
    根津美術館 | 東京都
    2016年は吉祥柄でスタート
    常に緑深い「松」、真っ直ぐで凛とした「竹」、花が無い時期に開花する「梅」。松・竹・梅は、古くから吉祥のデザインとして用いられてきました。松・竹・梅を単独で、または組み合わせて描いた絵画やデザインした工芸品、計41件を紹介する企画展が、根津美術館で開催中です。
    (左から)《梅四十雀図》狩野玉楽筆 / 《風竹図》徳川家慶筆
    《松鶴図屏風》
    (左から)《松蔭閑遊図》伝 銭穀筆 / 《松下人物図》伝 馬遠筆
    (左から)《紫地松梅鴛鴦文小袖》 / 《白地松竹梅鶴亀文小袖》
    (左奥から)《銹絵梅図角皿》尾形乾山作・尾形光琳画 / 《染付松竹梅文皿》肥前 鍋島藩窯
    《色絵梅樹鳥文輪花皿》肥前 柿右衛門
    重要文化財《芦屋梅松文真形霰釜》大江宣秀作
    【展示室2】華麗なる能装束 (左から)《縹地龍文半切》 / 《紺地立涌巴牡丹文厚板》
    【展示室6】初月の茶会 (左手前から)《色絵結文文茶碗》野々村仁清作 / 《茶碗》大樋
    第1展示室で開催中の本展、会場は3章構成です。

    「松竹梅を愛でる」は、絵画に描かれた松竹梅。四季花鳥図には松が描かれたものが少なくありませんが、《松鶴図屏風》もそのひとつ。針葉が放射状に描かれた松は“車輪松”と呼ばれます。

    「松竹梅を身につける」は、祝いの席で身に着けられる衣装に用いられた松竹梅。豪華な振袖や小袖のほか、刀剣を飾る金具に取り入れられた松竹梅もあります。

    「松竹梅で祝う」は、器に描かれた松竹梅。婚礼や節句など、おめでたい席に松竹梅は欠かせません。洗練されたデザインの中に、健康と長寿への願いが込められています。


    展示室1の「松竹梅 新年を寿ぐ吉祥のデザイン」

    展覧会は「松竹梅」ですが、展示室の冒頭は「申年にちなんで」。今年の干支である猿があしらわれた作品が紹介されています。中には小柄に表現された極小の猿も。拡大鏡を覗いて超絶技巧をお楽しみください。

    今年の根津美術館のカレンダーの表紙になっている《猿舞図》は、展示室6で展示。猿は魔が「さる」とされ、縁起が良い画題でもあります。愛らしい猿を描いたのは、葛飾北斎の門人である葛飾戴斗です。


    冒頭の「申年にちなんで」

    テーマ展示は、展示室2で「華麗なる能装束」として、色糸や金糸を用いた豪華な能装束11点を展示。

    展示室5は新春恒例となった「百椿図」。江戸時代の椿園芸ブームのなかで制作された百椿図は、花器に見立た様々な器物(中には「ちりとり」なども)も見ものです。

    展示室6は「初月の茶会」。前述の《猿舞図》など干支にちなんだ作品のほか、歌会始のお題である「人」にまつわる茶道具、計23点です。


    展示室2・5・6のテーマ展示

    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2016年1月8日 ]

    TOKYO美術館2015-2016TOKYO美術館2015-2016

     

    エイ出版社
    ¥ 999

     
    会場
    会期
    2016年1月9日(土)~2月14日(日)
    会期終了
    開館時間
    10:00~17:00(入館は16:30まで)
    休館日
    月曜日 ただし1/11(月・祝)は開館し、翌1/12(火)は休館
    住所
    東京都港区南青山6-5-1
    電話 03-3400-2536
    公式サイト http://www.nezu-muse.or.jp/
    料金
    一般1000円、学生[高校生以上]800円
    *中学生以下は無料
    展覧会詳細 松竹梅 新年を寿ぐ吉祥のデザイン 詳細情報
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