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    歌麿大作「深川の雪」と「吉原の花」 ―138年ぶりの夢の再会―
    岡田美術館 | 神奈川県
    謎も多い超大作
    喜多川歌麿による肉筆画の大作《深川の雪》《品川の月》《吉原の花》。栃木の豪商が注文して描かれたと考えられる三部作ですが、現在はそれぞれ別の美術館に収められています。このたび、《吉原の花》が米国から来日。日本で138年ぶりに《深川の雪》と同時に紹介する展覧会が、岡田美術館で開催中です。
    (左から)(原寸大高精細複製画)喜多川歌麿《品川の月》 原本:江戸時代 天明8(1788)年頃 フリーア美術館蔵 / 喜多川歌麿《吉原の花》 江戸時代 寛政3~4(1791~92)年頃 ワズワース・アセーニアム美術館蔵 / 喜多川歌麿《深川の雪》 江戸時代 享和2~文化3(1802~06)年頃 岡田美術館蔵
    喜多川歌麿《吉原の花》 江戸時代 寛政3~4(1791~92)年頃 147x319cm ワズワース・アセーニアム美術館蔵
    喜多川歌麿《吉原の花》(部分) 江戸時代寛政3~4(1791~92)年頃 ワズワース・アセーニアム美術館蔵
    喜多川歌麿《深川の雪》 江戸時代 享和2~文化3(1802~06)年頃 198.8x341.1cm 岡田美術館蔵
    喜多川歌麿《深川の雪》(部分) 江戸時代 享和2~文化3(1802~06)年頃 岡田美術館蔵
    (原寸大高精細複製画)喜多川歌麿《品川の月》 原本:江戸時代 天明8(1788)年頃 フリーア美術館蔵
    (原寸大高精細複製画)喜多川歌麿《品川の月》(部分) 原本:江戸時代 天明8(1788)年頃 フリーア美術館蔵
    喜多川歌麿《三美人図》 江戸時代 寛政年間(1789~1801) 岡田美術館蔵
    「特集 没後60年 川合玉堂と小林古径」
    歌麿が親交のあった栃木の豪商・善野家からの注文を受け、栃木で描かれたと考えられている「雪月花」三部作。1879(明治12)年に栃木・定願寺での展観に揃って出品されましたが、後に三作ともパリへ。《品川の月》はフリーア美術館、《吉原の花》はワズワース・アセーニアム美術館の収蔵となり、行方不明だった《深川の雪》は2012年に再発見されて岡田美術館の収蔵となりました。

    本展は、日本では定願寺以来となる2作品の同時展示。フリーア美術館はコレクションの館外貸し出しを禁止しているため、残念ながら三作揃い踏みとはなりませんでしたが、代わりに《品川の月》の原寸大高精細複製画も展示。その雰囲気は十分堪能できます。

    では早速《吉原の花》から。吉原、品川、深川ともに江戸時代に人気が高かった遊所ですが、中でも吉原は江戸唯一の幕府公認遊郭。三部作の中でも中心的な作品といえます。

    1791~92(寛政3~4)年頃に描かれた、実に華やかな作品。二階にいるのは武家の婦人で、贅沢を禁止した寛政の改革を暗に批判しているとも言われます。

    左上の床の間の掛け軸は、人気絵師だった英一蝶による「布袋に唐子図」。右側の天水桶に書かれた町名は桜で微妙に隠し、虚実が入り混じった世界を演出しています。


    喜多川歌麿《吉原の花》 江戸時代 寛政3~4(1791~92)年頃 ワズワース・アセーニアム美術館蔵

    続いて、岡田美術館が収蔵する《深川の雪》。三作の中で縦・横ともに最も大きい、文字通りの超大作です。

    このコーナーでも何度かご紹介していますが、中央にS字に人物がレイアウトされた、動きのある構図。右上にいる包みを担ぐ女の姿は、寝具を料亭に運ぶ深川名物「通い夜具」です。

    こちらは1802~06(享和2~文化3)年頃の作品、三作では最後、歌麿自身としても最晩年の作品と見られています。


    喜多川歌麿《深川の雪》 江戸時代 享和2~文化3(1802~06)年頃 岡田美術館蔵

    高精細複製画ですが、《品川の月》もご紹介しましょう。品川にある有名な妓楼の二階座敷の様子を、海を見渡す遠近法で描きました。

    三作の中では最も早い1788(天明8)年頃の作品。左側の障子に映る男の姿で、夜を徹した遊楽を現しています。

    右側の衝立には、同時代の画家・高嵩谷の署名も。三作とも画中画も正確で、歌麿自身が確かな画力を身に着けていた事を物語っています。


    (原寸大高精細複製画)喜多川歌麿《品川の月》 原本:江戸時代 天明8(1788)年頃 フリーア美術館蔵

    歌麿は美人画の錦絵は良く知られていますが、一方で肉筆画の数は少なく、確認されているのは40点ほど。本作もこれほど大きな絵をどのように描き、どこに掛けたのか。多くの謎が残されています。

    いずれにしても、138年ぶりに実現した夢の展覧会。充実した特集展示「人物表現の広がり ─ 土偶・埴輪から近現代の美人画まで ─」(ここにも歌麿の肉筆画が2点展示されています)とあわせて、お楽しみください。

    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2017年7月27日 ]

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    ■「深川の雪」と「吉原の花」 に関するツイート


     
    会場
    会期
    2017年7月28日(金)~10月29日(日)
    開館時間
    午前9時〜午後5時(入館は4時30分まで)
    休館日
    会期中無休
    住所
    神奈川県箱根町小涌谷493-1
    電話 0460-87-3931
    公式サイト http://www.okada-museum.com/
    料金
    一般・大学生 2,800円
    小中高生 1,800円
    展覧会詳細 歌麿大作「深川の雪」と「吉原の花」 ―138年ぶりの夢の再会― 詳細情報
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