特集
    2020-21年 冬のおすすめ展覧会 ベスト10 ― 全国版 ― [12月・1月・2月]

    まずは現代美術から。「平成美術:うたかたと瓦礫 1989–2019」は、美術評論家の椹木野衣が企画・監修。平成の14のアーティストグループおよび集合体の代表作が一堂に会し、経済的な停滞と未曾有の災害に繰り返し見舞われた平成年間(1989–2019年)の美術を振り返る注目の展覧会です。


    半世紀以上に渡って一線で活躍を続ける横尾忠則(1936-)。「GENKYO 横尾忠則」では、画家が様々なイメージや記憶の連関を見出す鬱蒼とした森のような領域である「原郷」をキーワードに、横尾の生涯の展開を辿りながら、その芸術の特性に迫ります。


    現代美術にも通じる流れとして、今や世界的な注目を集める「具体」。昭和29年に兵庫県芦屋市で発足した前衛美術グループ「具体美術協会」は、「人の真似をするな」を合言葉に制作を続けました。意外にも兵庫県立美術館での具体は平成16年以来。、「今こそGUTAI 県美(ケンビ)の具体コレクション」で久しぶりに所蔵品を一度に展示します。


    続いて「故郷の作家」系の展覧会を3つ。「生誕110周年記念 阿部合成展」は、青森市生まれの画家、阿部合成(あべごうせい)の過去最大の回顧展。中学では太宰治と同級生で、以来友人に。戦前・戦中は二科会で活躍も、作品が反戦絵画とみなされ、自らも出征後にシベリアで抑留されるなど、波乱の人生を歩みました。初期から絶筆まで、画業の全貌に迫ります。


    久留米市生まれの画家・髙島野十郎。独学で身に着けた絵画で、ひたすら写実を追求。終生家族を持たず、画壇とも一切関わらなかったため、いまだ多くの謎に包まれています。没後40年の展覧会は、取材レポートでもご紹介しました。今回の「生誕130年記念 髙島野十郎展」は、故郷の久留米市美術館で開催。近年の新発見の作品もあわせ、総数115点です。


    雪舟等楊と浦上玉堂。雪舟は室町時代の「画聖」、玉堂は江戸時代の文人画家。時代は300年ほど離れていますが、それぞれ、前衛的な水墨画で美術史上に独特の存在感を放ちます。実は両者とも岡山県の出身(雪舟は総社市、玉堂は岡山市)。岡山県立美術館で開催される「雪舟と玉堂―ふたりの里帰り」展では、国宝を含む傑作の数々を紹介します。会期が短めなので要注意。


    「うちにこんなのあったら展」は文字通り、もしも自分の家にこんなものがあったら、と想像しながらの鑑賞をよびかけている展覧会。クリストファー・ドレッサー、富本憲吉、ルーシー・リーなど中心に、国立工芸館のコレクションから厳選したデザイン・工芸作品約150点です。


    特別展・企画展ではないですが「福島美術館の優品」もご紹介しておきたいです。仙台市若林区にあった「街の小さな美術館」の福島美術館。平成30年に活動を休止し、多くの作品が寄託されている仙台市博物館で、選りすぐりの優品が紹介されます。


    「奈良 中宮寺の国」では、本殿修復中の中宮寺から、本尊の国宝「菩薩半跏思惟像」が出陳。飛鳥時代の最高傑作であると同時に、わが国を代表する彫刻としても名高いほとけさまは、1月からは九博で見る事ができます。紙で作られた文殊さまなど、珍しい寺宝も。


    そして、もうすぐ震災から10年。水戸芸術館は自らも罹災し、臨時の避難所にもなりました。震災が露わにした問題の一つは、私たちの「想像力の欠如」。ものごとを想像する/させることは、そもそも芸術の重要な仕事の一つです。「3.11 とアーティスト:10 年目の想像」では「想像力の喚起」という芸術の本質に改めて着目します。

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