甲斐黄金村・湯之奥金山博物館をたずねて (3)


    さらに進むと、鉱石から金が掘り出されるまでの作業が紹介されています。

    金掘(露頭掘)で採取された鉱石は、砕いてすりつぶす「粉成(こなし)」、鉱石粉を水中でゆすって金を探す「沙り分け(ゆりわけ)」と進みます。



    「粉成」の作業


    鉱石をすりつぶす際に用いられる回転式の石臼は、いくつかのタイプがあります。砕いた鉱石を入れる穴が、臼の中心から外れた位置にある「湯之奥型」、軸を受ける穴から鉱石を入れる「黒川型」など。改良が進み、江戸期には「定形型」が全国に広まりました。



    さまざまな石臼


    一部を除くと、日本における金の採掘はほとんど見られなくなりましたが、代わって注目を集めているのが「都市鉱山」です。パソコンやスマホなど、身の回りの機器に内臓されていね集積回路1tには、数十~数百グラムの金が含まれています。

    2020年東京オリンピックではこの「都市鉱山」から、メダル製造に必要な原材料を調達しました。



    「都市鉱山」


    金山博物館の大きな特徴といえるのが、砂金採り体験です。実際に金を探す工程を楽しみことができます。



    「砂金採り体験室」


    砂金の採り方は、いたってシンプルです。大きな水槽に砂金が含まれている砂が入っており、パンニング皿という金を採るための専用の器を使い、基本的には「ゆすって、流す」を繰り返します。



    所用体験時間は30分です


    鉱石にはそれぞれ異なった重さがあり、最も重いのが金。掬った砂を水の中でよく揺すると、重い金は沈み、軽い他の砂は上面に浮いて流れていきます。

    採れた砂金はプラケースに入れて持ち帰ることができ、初心者は平均で3〜5粒の採取が可能。ぜひチャレンジしてみてください。



    光る金の粒がお分かりでしょうか


    博物館の位置する下部温泉郷は、日本の名湯100選にもセレクトされている、古くから人々の傷をいやしてきた効能あらかたな温泉です。博物館の駐車場にある「しもべ黄金の足湯」は、しもべ奥の湯高温源泉を引き込んだ足湯。無料ですので、博物館と合わせてお楽しみください。もーん父さんイラストの足湯タオルは、博物館売店で手に入れることができます。



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