利府町郷土資料館をたずねて (2)~「あさガオー」と「みヤギー」について

利府町郷土資料館の「あさガオー」と「みヤギー」
仙台市の北東に位置する宮城県宮城郡利府町。豊かな自然に恵まれ、縄文時代の遺跡や古墳など、古くからの歴史が息づく町で、近年は仙台市のベッドタウンとして大きな発展を遂げています。
そんな利府町の歴史や文化を、身近に・楽しく学べる場が「利府町郷土資料館」。町指定文化財や大貝窯跡の復元模型などを展示し、「見て・触れて・感じて」をテーマに、地域の歴史を体感できる施設です。

利府町郷土資料館 入口
この資料館には、町の歴史を象徴する文化財から生まれたオリジナルキャラクターがいます。それが「あさガオー」と「みヤギー」です。
あさガオーは、郷楽遺跡から出土した町指定文化財「朝顔形埴輪」をモチーフに誕生しました。郷楽遺跡では4基の円墳が確認されており、そのうち1号墳の周溝からは多くの埴輪が出土。その中でも、ほぼ完全な形で見つかった朝顔形埴輪は、出土例が少ないことから町指定文化財に登録されています。上部の形が朝顔に似ていることから、この名が付きました。

「あさガオー」のモデルになった、利府町指定文化財「朝顔形埴輪」
みヤギーは、硯沢窯跡から出土した奈良時代の須恵器がモデル。そこには「宮城郡」「宮木」といった刻書が見られ、これまで『続日本紀』の記述(766年)が最古とされていた「宮城郡」の存在を、さらに遡るかたちで示す貴重な発見となりました。このことから、8世紀前半にはすでに「宮城郡」が成立していたことが明らかになっています。

「みヤギー」のモデルになった、奈良時代の刻書された須恵器(硯沢窯跡)
あさガオーとみヤギーは、郷土資料館のスタッフ(当時)が得意のイラストを活かして生み出したキャラクター。館内各所で案内役として登場し、来館者にも親しまれています。
今回もデッドヒートが続きましたが、順調に票を伸ばし、最終盤では連日SNSでも投票を呼びかけ。ついにグランプリに輝きました。

投票の最終版で投稿されたイラスト。スタッフが毎日制作。紙の色が違うのは、休みの日に自宅で描いたため。