竹久夢二　大正モダングラフィック ～デザイン都市の揺籃（ようらん）～

　 東京を中心とした都市文化の成熟と、消費型社会の確立を背景に、1920年代には、印刷技術の飛躍的な向上を味方につけた商業広告活動が隆盛期を迎えます。この商業広告という新領域を新たな活躍の舞台として登場した＜図案家＞たちは、今日＜グラフィック・デザイナー＞と呼ばれる人々の先駆者と考えられます。 　 美人画家として知られる竹久夢二（1884－1934）は、このグラフィックデザインに早くから関心を示した芸術家のひとりです。彼の興味の対象は広く、自作の小物、千代紙や便箋・封筒、絵葉書の製作販売から、楽譜・書籍装幀、ポスター制作、雑誌付録のデザインにまで及びます。 　 本展覧会では、夢二が果たしたデザイナーとしての先駆的な役割を紹介すると共に、大正～昭和期に港に溢れた斬新なデザイン資料を併せて展示いたします。