武井武雄は生涯を通して、様々な創作に関わる組織を作り、仲間たちと多くの作品を生み出しました。始まりは、中学生時代に立ち上げた「椰子の実会」です。諏訪中学校で出会った友人たちと絵画を研究する同好会を作り、互いに作品を見せあって批評したり、『みずゑ』などの美術雑誌を購入して絵画のトレンドを研究するなど、精力的に活動しました。「椰子の実会規定」なるものも作成し、志しを同じくする仲間たちと創作活動をする喜びを味わったのです。
その後、童画家となった武井は、「日本童画家協会」を立ち上げます。メンバーは当時、児童向け絵雑誌などで活躍していた岡本帰一、初山滋、川上四郎、深沢省三、清水義雄、村山知義の7名でした。「童画」というジャンルの確立を目指す仲間が集まって、大きな目標に向って協力しながら高めあう会でした。その後も自転車遠乗り会「JAZOO-MANIA」、版画年賀状交換会「榛の会」、文化団体「双燈社」、「刊本作品友の会」など、創作にまつわる様々な団体を作りました。どの会でも、武井を中心にして会員が集まり、武井が作った「規定」を守りながら活動しました。武井の創作活動を語る上で、組織作りは欠かすことのできない要素です。これは仲間との連携を深め、より創作の幅を広げることにもなりました。本展では、武井の作った組織をご紹介しながら、その中で作り上げてきた作品や仲間たちをご紹介いたします。
〈同時開催〉
モーリス・センダック展
絵本『かいじゅうたちのいるところ』の著者、モーリス・センダックの貴重な原画やポスターを展示いたします。