調和ーミュシャが目指した作品と世界を探る
【展示概要】
音、色、自然…世の中には様々な「調和」があり、これらは人々に心地よさを与え、より良い世界を実現するための概念でもあります。華やかで優雅な女性像のポスターを描く画家として有名なミュシャですが、生涯に渡って人々の幸福を願って数多くの作品を描きました。それは祖国チェコとスラヴ民族のために描いた晩年の大作《スラヴ叙事詩》にとどまりません。経済的な成功だけに満足しなかったミュシャは、たとえ商業的な作品であっても広く民衆が楽しめる芸術をめざしました。本展は当館を代表する大型油彩画《ハーモニー》(縦横約1.5m×4.5m)を中心に、コレクションから厳選した数々の作品に共通するモチーフや構図を読み解きながら、彼が作品を通じて人々に伝えようとした想いを探ります。「調和」をテーマとしたミュシャの芸術家としての新しい一面をご紹介します。
【展示構成】
第1章 円のモチーフ
女性を女神のように見せる円環のモチーフ。ポスターや装飾パネルで頻繁に用いられたこのモチーフは、後にスラヴ民族の連帯を象徴するようになります。画業初期のパリから後の時代へと変遷するモチーフの使い方に注目します。
第2章 めざす場所 ー 巨大な人物と向かい合う人々
幼い頃から教会やその美術に親しんでいたミュシャ。彼は生涯に渡ってキリスト教に関わる作品を手がけました。その中でよく描かれた「巨大な人物と向かい合う人々」の構図を取り入れた作品や、キリスト教に関わる作品の数々をご紹介します。
第3章 色彩と構図の調和
近代化した19世紀ヨーロッパでは政治や科学、芸術など様々な分野で「調和」の概念が注目されました。それは同時代の画家たちの作品にも反映されました。ミュシャのデザイン理論を元に、彼がめざした「調和」のとれた作品の数々をご紹介します。
第4章 ハーモニー
《ハーモニー》と本作が展示される予定だったニューヨークの劇場に関連する作品をご紹介します。これまでの章で見た作品を元に本作のモチーフや構図、色彩などに注目し、描かれた目的を探ります。
第5章 みんなの、そしてスラヴのために
ミュシャはパリ時代にデザイナーとして活躍している頃から、広く民衆のために芸術で貢献することを望んでいました。後半生の祖国チェコとスラヴ民族のために制作した作品を中心に、彼が人々の幸福を願って描いた作品をふりかえります。
【みどころ】
①ミュシャの大型油彩画《ハーモニー》にスポットをあてる初めて&当館だけの展覧会
②当館でしか見られない作品を含む、多様なジャンルのミュシャ作品を紹介
③ポスターや《スラヴ叙事詩》にとどまらない画家ミュシャの新たな一面を再発見できる