地平線の夢 昭和10年代の幻想絵画

    東京国立近代美術館 | 東京都

     昭和10年代に描かれた、広大な地平線を背景とした幻想的な風景画は、これまでひとくくりにしてシュルレアリスムの画家サルヴァドール・ダリの形式的な模倣と片づけられてきたように思われます。しかし同時代の絵画を広く見渡してみると、直接的にダリの影響を受けたもの以外にも、地平線の印象的に描かれた作品が少なくないことがわかります。それは例えば古代ギリシアや古代遺跡のイメージを描いたもの、あるいはまた大陸の広大な風景に題材を得たものなどです。このことから、当時の閉塞した社会状況の中で、理想郷のようなものを憧れる気持ちが、画家たちに共通して地平線を描かせたのだと考えられます。 彼らが描いた理想郷を、現実逃避として片づけるわけにはいきません。「ユートピア」という言葉を創出した16世紀イギリスの思想家トマス・モアが、理想的な「どこにもない国」を語ることで当時の現実の社会の欠陥を批判しようとしたように、昭和10年代に理想郷を描き出すことは、当時の画家たちにとって時代の危機意識と表裏をなすものであったとはいえないでしょうか。  本展覧会は、昭和10年代の洋画家26名による、地平線を描いた幻想的な絵画約80点を集め、それらを従来通りシュルレアリスムなど西洋美術との影響関係から論じるのではなく、描かれた内容や構図の分析を通して当時の画家たちの問題意識を探り、あわせて画家と社会との関係という、今日にも通じるテーマについても考察を試みようとするものです。
    会期
    2003年6月3日(火)~7月21日(月・祝)
    会期終了
    開館時間
    10:00~17:00(入館は16:30まで)
    ※金曜・土曜は20:00まで開館(入館は19:30まで)
    料金
    一般 630円(510円) 大学生 340円(250円) 高校生 250円(140円) 小・中学生 無料 *( )内は20名以上の団体料金 *いずれも消費税込み *前売り:一般530円/大学生250円/高校生140円 6月2日までチケットぴあ、ファミリーマート、セブンイレブン(都内のみ)にて取り扱いいたします。 *「地平線の夢」展観覧券で「牛腸茂雄展」もご覧いただけます。
    休館日 月曜日(ただし7月21日は開館)
    会場
    東京国立近代美術館
    住所
    〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3-1
    050-5541-8600(ハローダイヤル)
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