毎年夏休みに、常設展示室でひらいている「夏休み子ども美術館」。今年は小倉遊亀コーナーいがいの常設展示室が『開館20周年記念 コピーの時代』の第2会場になるため、とくべつへんとして、展覧会のテーマにあわせた“うそっこ まねっこ なりきりアート”というタイトルでおこないます。
もちろん、内容は『コピーの時代』展の第4~第6セクションにあたる、しっかりとした展示です。ただし入り口で、子どものためのガイドブックをくばったり、きゅうけいロビーに、展示内容に関連したモンタージュパズルや、絵あわせゲームで遊べる≪プレイコーナー≫をもうけるなど、子どもたちも楽しめるようなくふうをしてあります。
いつもは近代日本画や郷土美術を展示している展示室Iは、今回は展覧会の第4セクション≪ぬすめ「日本美術史」≫となり、むかしの日本美術のゆうめいな作品と、それをもとに現代の作家たちが作った、ユーモアたっぷりの≪まねっこアート≫≪うそっこアート≫≪なりきりアート≫を見ていただけます。むずかしいりくつは抜きにして、もとの作品と見比べながら、まちがいさがしの感覚で楽しみましょう(もとの作品は一部、現物ではなく複製画の展示となります)。とくに小沢剛さんによる、じっさいにはなかった“しょうゆ画”のれきしをデッチあげて展示したミニ美術館『醤油画資料館』は、見ごたえ十分。
いつもは現代美術の作品を展示している展示室IIは、展覧会の第5セクション≪ぬすめ「西洋美術史」≫と、第6セクション≪オリジナルなきコピー≫になります。こちらも西洋美術の名作と、それをもとに作った現代の作品をくらべながら鑑賞できます。名画の中の人になりきった森村泰昌さんや、名画の中の人らしく見えるんだけど、じつはそんな名画はどこにもないシンディ・シャーマンさんの作品など、思わずうなってしまう、おどろきにあふれた作品の数々をお楽しみいただけます。