日本版画協会は、1931年(昭和6)に、創作版画協会より織田一磨、恩地孝四郎石井鶴三、前川千帆、平塚運一、川上澄生、山本鼎等28名の会員、洋風版画協会より大久保作次郎・中村研一等4名の同人に、梅原龍三郎、長谷川潔、富本憲吉等11名の無所属作家の参加を得、岡田三郎助を会長に迎えて設立されました。同年6月、日本橋三越にて第1回日本版画協会展を開催して今日まで、1945年(昭20)の戦争混乱期をのぞき、本年の第73回展まで休みなく活動を続けています。その間、日本で唯一の版画作家だけの絵画団体として、国内のみならず海外の版画界にも大きな影響を与えつつ、現代版画の世界に大きな足跡を印してきました。
毎年春に行われる東京都美術館での日本版画協会展とは別に、戦前より各地で行われている「巡回展」(1972年に一旦中断した後、1982年に再開)ですが、佐喜眞美術館では、1996年の第64回展から沖縄展を開催しています。
新しい才能の発掘を目的とした公募部門では、沖縄出身の若手作家も入賞はたし、沖縄での新しい版画表現の可能性にも期待が高まっています。
版画協会展会員の約100点近い作品が沖縄で一堂に鑑賞できるこの機会、ぜひ多くの皆様に版画表現の奥深さを知っていただきたいと思います。
気に入った作品は購入することも可能です。