…見つめ続けた男が居た。

    没後30年「高島野十郎展」

    福岡県立美術館 | 福岡県

     暗闇のなかで揺らめきながら光を放つ蝋燭の炎。洋画家・高島野十郎(1890-1975)は、画家生活の初期から晩年まで、火のともされた蝋燭の小さな絵を数多く描き続けました。  明治23年、福岡県久留米市に生まれた野十郎は、東京帝大農学部水産学科を首席で卒業しながらも、周囲の期待に反して念願であった画家の道を選びます。昭和初期に数年間小さなグループで活動するものの、以後はわずかに開いた個展だけを作品発表の場としました。昭和36(1961)年からは都心を離れて千葉県柏市の田園のなかに質素なアトリエを建て、晴耕雨描とも言えるような生活を貫きました。  「世の画壇と全く無縁になる事が小生の研究と精進です」と自ら記したように、野十郎は美術の流行や画壇のすう勢に見向きもせず、一貫して写実に徹した作画を行いました。果実や花を題材にした卓上静物をはじめ、信州や筑後などの何気ない風景を、そして晩年には月だけが描かれた夜空をきわめて克明に描き出しました。彼の写実は、対象のたんなる再現を越えて、その生命や息吹までをもカンバスにとらえています。  生前には、ほとんど知られることがなかった野十郎ですが、卓越した技量と精神性に満ちた画風が没後に評価されました。息詰まるような絵の緊張感や自己の信念を真っ直ぐに生きた彼の生涯が多くの人々に強いインパクトを与え、近年ますます注目を浴びています。
    会期
    2005年12月2日(金)〜2006年1月15日(日)
    会期終了
    開館時間
    ・展覧会開催時間: 10:00~18:00(入場17:30まで)
    ・美術図書室 / ハイビジョンギャラリー: 9:00~17:30
    料金
    一般700円(500円)、高大生500円(300円)、小中生300円(200円) *( )内は団体20名以上の料金
    休館日 月曜日(ただし1月9日(月・祝)は開館し、翌10日(火)が休館)ならびに年末年始(12月28日~1月4日)
    会場
    福岡県立美術館
    住所
    〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神5-2-1
    092-715-3551
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