春季特別展「馬と牛－ひとつの蹄とふたつの蹄－」

　馬と牛はもっとも大きな家畜であり、古くから人間とともに生活してきました。馬は、スピードと牽引力にすぐれていたため、乗馬・馬車や農耕などに携わりました。牛も運搬や農耕などに活躍しましたが、食肉や牛乳の利用で食生活を大きく変化させました。馬と牛は同じように蹄を持っており、有蹄動物といわれます。有蹄動物は奇蹄類と偶蹄類に分かれますが、馬は１本の肢に蹄が一つという奇蹄類、牛は蹄が二つに分かれている偶蹄類です。それぞれの代表として、現在では異なった動物のように思われていますが、先祖は同じで約6,000万年前から別々の進化を遂げたと考えられています。両者は人とのかかわり方が違うため比較されることは稀ですが、共通の先祖を持つ大形草食獣としていろいろな面からご紹介する必要があると考えられます。