石田尚志は1972年東京都生まれ。抽象的な描線を描きながら、それらをコマ撮りしてつなげるドローイング・アニメーションで知られています。今回の滞在では、制作スタジオ内にしつらえた巨大な壁に向かい、「水」をテーマにペインティングとコマ撮りを延々と繰り返し、アニメーションの手法により映像をつくりあげていきます。また今回は作家にとっての初めての試みとして、粘土を使った立体イメージを制作にとりいれいます。なにもない空間にたちあがる粘土の壁と、壁面への描画による画像とを組み合わせ、幻想的な映像をつくりあげてゆきます。
今回の滞在で制作した作品は、2007年3月に当館で開催するアニメーションをテーマにした映画上映会のプログラムの一つとして上映するとともに、4月より開催される企画展「みず展」(仮称)に出品されます。
滞在制作期間中、スタジオの入口にあたるラウンジスペースでは、石田が過去に制作したドローイング、映像を展示すると共に、アニメーションの仕組みが体験できるコーナーなどを設置します。また、毎週月曜日と水曜日には実際に制作を行っているスタジオの公開、毎週日曜日には、作家とのフリートークの時間があります。
ゲストアーティストとのライブパフォーマンスや、石田とゲストとによるトークの開催など、絵画と映像を軸にジャンル横断的な活動を展開する石田尚志の創作活動を多角的に紹介します。