「ヨーロッパ絵画展　～天使がいた時代～」

　17世紀のバロック美術は、16世紀のルネサンス美術を青年にたとえれば、壮年期に相当すると言えます。ルネサンス美術がイタリア中心だったのに対し、バロック美術はヨーロッパ各国でそれぞれの国にふさわしい巨匠を輩出し、ルネサンス美術に優るとも劣らない偉大な美術として、人々の関心を集めてきました。今回の展覧会は、そのバロック美術を起点として19世紀の近代絵画にいたる作品を集めた「長坂コレクション」によるものです。宗教的な主題にはじまり、新しい市民層に愛された世俗画、さらに正統派リアリズムが多くを占める近代絵画にいたるまで、バロックから近代にわたり、時代の雰囲気や好みをよく伝える西洋絵画をご紹介します。