昭和31年、『経済白書』は「もはや戦後ではない」と、敗戦からの復興を高らかに宣言し、高度経済成長の時代が幕を開けようとしていました。
神武景気(昭和30~32年)、岩戸景気(昭和33~36年)と好景気が続き、新幹線や高速道路が整備され、昭和39年の東京オリンピックを経て、日本の経済・社会は大きく変貌していきました。
身近なところでは、冷蔵庫、洗濯機がなどの家電が普及し、またテレビや雑誌によって新しい大衆文化が形成されていきました。
私たちは、日々の暮らしを重ねて、それぞれの歴史を築き、くらしの記憶をもっています。起きて、眠り、食べて、遊び、働き、学び、苦しみ、悲しみ、そして楽しんできました。
それらは、どんな歴史書よりも膨大でかけがえのない記憶です。
しかし、くらしの歴史はあまりにも日常的であるため、記録として残りにくいのも事実です。
文化資料館では、これから「茅ヶ崎ノスタルジア~昭和30年代のまちかど~」をテーマに、昭和30年代の茅ヶ崎を、写真や収蔵資料、聞き取り調査などでわかったことなどを、特別展を通じて紹介します。
眠っている、昭和30年代の茅ヶ崎のかけがえのない記憶の宝箱を開けてみたいと思います。そして、なぜ昭和30年代が人々をひきつける理由を、この特別展を通じて探っていきたいと思います。