通常イワトビペンギンは、小石や雑草で巣をつくり、一回の産卵で卵を2個産み、オスとメスが交代で巣の上に腹ばいになって卵を温めます。1つ目の卵は6月5日(木)に嘴打たを確認、産卵から39日目の翌6日(金)5時30分に無事赤ちゃんが誕生しました。もう1つの卵も産卵から35日目の6月6日(金)に嘴打ちを確認し、同日23時20分に赤ちゃんが無事誕生しました。
海遊館では過去にも赤ちゃんが誕生したことがありますが、イワトビペンギンの繁殖は大変難しいことから、今回の産卵・孵化にあたっては、親鳥の負担を軽減し安全に子育てをさせるため、誕生した赤ちゃんのうち1羽を人工飼育することにしました。ところが、もう1羽の赤ちゃんについても、親鳥に積極的な育児行動が見られなかったため、急遽2羽とも人工飼育することにしました。
一般的にイワトビペンギンの赤ちゃんは、孵化時の全長は約101.p、体重は約70gで、全身に綿めん羽うと呼ばれる白黒のモコモコの羽が生えています。イワトビペンギンの特徴である黄色い冠羽かんうはまだ生えていません。生後約2ヵ月頃で綿羽が抜け落ちて親と同じ模様になり、自分で餌を食べ始めます。
現在、2羽の赤ちゃんは順調に育っており、温度や湿度が調整できる保育器に赤ちゃんを入れ、魚のすり身の餌を与えるなどの人工飼育を行っています。赤ちゃんは順調にすくすくと成長していることから、来館者に間近で可愛らしい姿をご覧いただけます。