心のふるさとを描く　原田泰治の世界

素朴画家・原田泰治。諏訪市に生まれ、この春古希を迎えました。何気ない人々の暮らしを描いたその作品は、温かく優しさに包まれ、見る人の心をとらえて離しません。「郷愁」、「ふるさと」という言葉が似合う作品は、旅先のおばあちゃんとの語らいや、あぜ道での会話など取材先で出会った人々とのふれあいから生まれたものです。彼は現場にこだわります。取材に出向いた先は全国47都道府県だけでなく、海を越えてアメリカ、旧ユーゴスラビア、中国、ブラジル等々、広く海外にも及び、世界中から高い評価を得ています。今回の展覧会は、初めて公開される初期の作品から最近作まで、120点が揃います。半世紀にわたる画家・原田泰治の集大成ともいえる展覧会です。