歌麿・写楽の仕掛け人 その名は蔦屋重三郎

    サントリー美術館 | 東京都

    18世紀後半、安永・天明・寛政期の江戸には、浮世絵の喜多川歌麿(1753?-1806)・東洲斎写楽、戯作の山東京伝(1761-1816)、狂歌の大田南畝(なんぽ)(1749-1823)といった江戸文化を彩る花形スターが登場します。このスターたちの作品を巧みに売り出し、江戸文化の最先端を演出・創造したのが、版元の「蔦重」こと蔦屋重三郎(1750-1797)でした。江戸吉原の人気ガイドブック『吉原細見』の独占出版、狂歌と浮世絵を合体させた豪華な狂歌絵本の刊行、当時の情勢を風刺した京伝らによる戯作の出版、歌麿の才能を存分に開花させた美人大首絵の発明、謎の絵師・写楽の“発見”など、次々と流行の最前線を創り出し、リードした人物です。「蔦重」は『吉原細見』や<往来物>など、確実に部数を稼ぐ出版物を手がけて経営の安定をはかる一方、南畝や朋誠堂喜三二(ほうせいどうきさんじ)(1735-1813)、恋川春町(1744-1789)など、売れっ子の狂歌師や戯作者の人気に乗じて自分の店の「ブランド化」をもくろみ、版元としての地位を確固たるものにしていきます。さらに、新人発掘に力を注ぐ名伯楽でもあり、歌麿や写楽を始め、葛飾北斎(1760-1849)や十返舎一九(1765-1831)、曲亭馬琴(1767-1848)など、無名時代に「蔦重」に才能を見出された逸材は少なくありません。また、華美な絵本や浮世絵、当時の寛政の改革を風刺した戯作などの出版は、時の権力者の目を引き、寛政3年(1791)には身代半減の処罰を受けました。しかし、それに屈することなく、処罰後も「蔦重」は歌麿の美人大首絵や写楽の役者絵などを意欲的に刊行し、人々に常に新鮮な驚きを与え続けたのです。 本展では、この名プロデューサー「蔦重」の出版物を通して、多様な“江戸メディア文化”の華をご紹介します。
    会期
    2010年11月03日(水・祝)~2010年12月19日(日)
    会期終了
    開館時間
    10:00~18:00
    公式サイト http://suntory.jp/SMA/
    会場
    サントリー美術館
    住所
    〒107-8643 東京都港区赤坂9-7-4  東京ミッドタウン ガレリア3F
    03-3479-8600
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