日本カメラ博物館(館長 森山眞弓)では、来る2014年3月11日(火)から6月22日(日)まで、特別展 「世界のライカ型カメラ ―小型精密カメラの進化と発展―」を開催します。
「小型精密カメラ」という新たな分野を築き上げた「ライカ」は、1923(大正12)年頃に試作機(後に「0型」と呼ばれる)が製造され、1925(大正14)年に「ライカⅠ(A)」が発売されました。その後、「ライカ」は35ミリフィルムを使用するカメラとして常に世界の写真業界を牽引し、同時に世界各国では「ライカ」を手本とした類型機が生み出されました。
しかし、それらは単なる模倣というだけではありません。「ライカ」を至高の存在と崇めるのではなく、「小型精密カメラとは何か」、「カメラに求められるものは何か」を考え、世界各国の製作者が解釈と思考を重ねて展開し、その後のカメラ発展にも繋がったカメラ史の重要な1ページにもなっています。
特に日本では、「ライカに追いつけ、追いこせ」を合言葉に、各社が競った時代があります。
それは結果的に日本のカメラメーカーが「ライカ」とは別の方向へと歩むきっかけともなり、日本が世界に誇る一眼レフカメラの発展へと繋がりましたが、現在でも、デジタルカメラ製品の中で注目を浴びている「ノンレフレックス」または「ミラーレス」と呼ばれるレンズ交換式デジタルカメラの人気の陰に「ライカ」の影響が見え隠れしています。
今回の展示では、本家の「ライカ」を手本とした世界各国の「ライカ型カメラ」を紹介し、ごくわずかしか製造が行われなかったカメラ、確認されているものが数台に留まるカメラなどの希少なカメラも展示いたします。