インターネットミュージアム
美術館・博物館・イベント・展覧会 インターネットミュージアム
  インターネットミュージアム  >  取材レポート  >  コートールド美術館展 魅惑の印象派

コートールド美術館展 魅惑の印象派

■英国が誇る、印象派・ポスト印象派の殿堂
20世紀初頭にレーヨンの製造・国際取引で財を成した英国の実業家、サミュエル・コートールド。展覧会で目にした印象派の作品に目を奪われ、わずか10年足らずで多くの作品を蒐集しました。マネ、モネ、ルノワールなど傑作揃いの展覧会が、東京都美術館で開催中です。
ロンドンにあるコートールド美術館。日本での知名度は高いとはいえませんが、イギリスが世界に誇る印象派・ポスト印象派の殿堂です。

作品がまとめて国外に貸し出される事は滅多にありませんが、同館が改修工事に入ったため、大規模展が実現。日本では1998年の「コートールド・コレクション展」(日本橋高島屋など)以来、約20年ぶりとなります。

出品作品は約60点と、数はあまり多くありませんが、巨匠が描いた重要な作品ばかり。西洋絵画好きにはたまらない、豪華な展覧会です。ここでは目に付いた作品を少しだけ、ご紹介しましょう。

まずはポール・セザンヌ。コートールドが最も多くの作品を購入したのがセザンヌで、油彩11点のほか、水彩画や手紙なども蒐集しました。

セザンヌはカード遊びをする労働者を何点も描いていますが、《カード遊びをする人々》もそのひとつ。低すぎる肩、長すぎる脚などは、解剖学的な正しさよりも、画面の調和を優先した結果です。



展覧会メインビジュアルの《フォリー=ベルジェールのバー》は、エドゥアール・マネ最晩年の傑作。マネが没する前年、1882年のサロンで発表されました。

フォリー=ベルジェールはパリのミュージック・ホールで、多彩な催し物が庶民に愛された娯楽場でした。本作は、その一角にあるバーが舞台。中央のメイドは、どことなく物憂げな様子です。

構図や主題も含めてさまざまな解釈がありますが、卓越した空間表現と魅力的なメイドが、強く印象に残ります。

続いて、ピエール=オーギュスト・ルノワール。1922年に収集を開始したコートールド夫妻が、最初に購入した2点のうち1点がルノワールでした(もう1点はジャン・イポリット・マルシャン Jean Hippolyte Marchand)。

《桟敷席》は、ルノワールが第1回印象派展に出品した記念すべき作品です。コートールドの収集で、最も高額な作品のひとつでもあります。

最新ファッションで着飾った女性が集う劇場の桟敷席は、大衆雑誌やファッション誌ではしばしば取り上げられていますが、絵画のテーマとしては画期的でした。

最後にポール・ゴーガン。コートールドがポスト印象派の作品として初めて購入したのが、ゴーガンの油彩画2点でした。

《ネヴァーモア》は、ゴーガン二度目のタヒチ滞在時に描かれたもの。「横たわる裸婦」は西洋絵画の定番といえる画題ですが、この作品からは生々しさがあまり感じられません。

本展は図録もオススメです(2,500円)。主要作品は透明シート付きで解説されるなど、凝った構成。展覧会の図録は堅苦しい論文が目立ちますが、読者ファーストの姿勢はありがたいです。

東京で開幕した巡回展で、愛知県美術館(2020年 1/3~3/15)、神戸市立博物館(3/28~6/21)に巡回します。

[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2019年9月9日 ]

作品は全て © Courtauld Gallery (The Samuel Courtauld Trust)


 
会場東京都美術館 企画展示室
開催期間2019年9月10日(火)~12月15日(日)
所在地 東京都台東区上野公園8-36
TEL : 03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : https://courtauld.jp
展覧会詳細へ コートールド美術館展 魅惑の印象派 詳細情報
取材レポート
町田市立国際版画美術館「美人画の時代―春信から歌麿、そして清方へ―」
美人画の時代
国立科学博物館「特別展 ミイラ ~ 「永遠の命」を求めて」
特別展 ミイラ
明治神宮ミュージアム「天皇陛下御即位奉祝 明治神宮ミュージアム開館記念展」'
明治神宮M. 開館
渋谷区立松濤美術館「日本・東洋 美のたからばこ」
美のたからばこ
横浜美術館「オランジュリー美術館コレクション
オランジュリー
国立西洋美術館「ハプスブルク展
ハプスブルク展
太田記念美術館「ラスト・ウキヨエ 浮世絵を継ぐ者たち ―悳俊彦コレクション」'
ラスト・ウキヨエ
東京国立近代美術館工芸館「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション
竹工芸名品
東京国立博物館「正倉院の世界
正倉院の世界
五島美術館「特別展 美意識のトランジション ─ 十六から十七世紀にかけての東アジアの書画工芸 ─」
美のトランジション
東京都美術館「コートールド美術館展 魅惑の印象派」'
コートールド美術館
国立歴史民俗博物館「ハワイ:日本人移民の150年と憧れの島のなりたち」
ハワイ:日本人移民
上野の森美術館「ゴッホ展」'
ゴッホ展
神奈川県立近代美術館
ふたたびの「近代」
Bunkamura
リヒテンシュタイン
国立新美術館「カルティエ、時の結晶」
カルティエ
福田美術館「開館記念 福美コレクション展」
福田美術館 開館
パナソニック汐留美術館「ラウル・デュフィ展 絵画とテキスタイル・デザイン」'
デュフィ
三井記念美術館「茶の湯名椀『高麗茶碗』」'
高麗茶碗
寺田倉庫「STAR WARS™ Identities: The Exhibition」
スター・ウォーズ
ハラ ミュージアムアーク「加藤泉 ― LIKE A ROLLING SNOWBALL」
加藤泉
東京富士美術館「フランス絵画の精華」
フランス絵画の精華
エリアレポート MIHO MUSEUM「The 備前 ―土と炎から生まれる造形美―」
[エリアレポート]
The 備前
エリアレポート 名古屋市美術館「カラヴァッジョ展」
[エリアレポート]
カラヴァッジョ
エリアレポート 岐阜県美術館「リニューアルオープン特別企画」
[エリアレポート]
岐阜美リニューアル
エリアレポート 京都国立近代美術館「円山応挙から近代京都画壇へ」
[エリアレポート]
円山応挙
エリアレポート 秋田県立美術館 「特別展 キスリング展 エコール・ド・パリの巨匠」
[エリアレポート]
キスリング
エリアレポート 岡山芸術交流2019 「IF THE SNAKEもし蛇が」
[エリアレポート]
岡山芸術交流
エリアレポート 国立科学博物館「風景の科学展 芸術と科学の融合」
[エリアレポート]
風景の科学展
エリアレポート 横尾忠則現代美術館「横尾忠則 自我自損展」
[エリアレポート]
横尾忠則 自我自損
エリアレポート 中之島香雪美術館 「交流の軌跡―初期洋風画から輸出漆器まで」
[エリアレポート]
交流の軌跡
エリアレポート 県立神奈川近代文学館 特別展「中島敦展 ― 魅せられた旅人の短い生涯」
[エリアレポート]
中島敦
エリアレポート 東京オペラシティ アートギャラリー「カミーユ・アンロ 蛇を踏む」
[エリアレポート]
カミーユ・アンロ
第3回 インターネットミュージアム検定
B-OWND 工芸のマーケットプレイスミュージアグッズのオンラインショップ ミュコレ
2020年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
2019年の展覧会予定(東京・名古屋・大阪 近郊)
皇室がご覧になった展覧会 博物館・美術館の情報
テレビでミュージアム 博物館・美術館の情報
エリアレポート(読者による取材記事) 博物館・美術館の情報
ニュース
一覧
東日本大震災・ミュージアム関連情報サイト MUSEUM ACTION
イベント検索ランキング
ゴッホ展 ハプスブルク展−600年にわたる帝国コレクションの歴史 特別展 ミイラ ~ 「永遠の命」を求めて 御即位記念特別展「正倉院の世界 ― 皇室がまもり伝えた美 ―」
ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 カラヴァッジョ展 ラウル・デュフィ展 ― 絵画とテキスタイル・デザイン ― 特別展 「大浮世絵展 ー 歌麿、写楽、北斎、広重、国芳 夢の競演 ー」
博物館・美術館検索
ミュージアム干支コレクションアワード 干支コレクションアワード「鼠」
エントリー受付中です
ミュージアムキャラクターアワード2018 ミュージアムキャラクターアワード
2019、グランプリは「つくぞう&つくみ」でした
人気の展覧会 ブログパーツ アクセス数が多い展覧会を地域別にご紹介、ご自由にどうぞ。
刀剣乱舞(とうらぶ)に登場する刀たち 「刀剣乱舞-ONLINE-」に実装された刀、IM取材分をまとめました。
パートナーサイト 関連リンク集

             

博物館、美術館、展覧会の情報登録
博物館、美術館、展覧会に最適。広告のお問い合わせ
インターネットミュージアムへのお問い合わせ

Copyright(C)1996-2019 Internet Museum Office. All Rights Reserved.
ミュージアム・博物館・美術館の情報サイト[インターネットミュージアム]は、丹青グループが運営しています
協力/ (株)丹青研究所 、編集・制作/ (株)丹青社