IM
    レポート
    野生展:飼いならされない感覚と思考
    21_21 DESIGN SIGHT | 東京都
    最後は爆笑です
    現代の生活には無縁のように思える「野生」。ただ、野生は私たちに内在する本能であり、その感覚が失われる事はありません。展覧会ディレクターに思想家・人類学者の中沢新一さんを迎え、現代のクリエイターたちが表現する野生を紹介する展覧会が、21_21 DESIGN SIGHTで開催中です。
    会場
    《丸石神》奥壁面写真:遠山孝之
    青木美歌《Between You and I》《あなたに続く森》
    ステファニー・クエール《Old Boar and Orangutan》
    田島征三《獣の遠吠え》
    エルンスト・ガンペール《139/08//200》《85/2008//250》《51/2005//230》
    渡邊拓也《道具と作ることのインスタレーション -case1-》
    黒田征太郎《無題》
    しりあがり寿《野生の現出》
    テーマである「野生」について、「私たち人間の内に潜み、『まだ飼いならされていない心の領域』こそが、今まさに大切になってきている『野生』のすみかである」と説明する中沢新一さん。展覧会のテーマとしては、やや敷居が高く感じられそうですが、作品はそれほど難解ではありません。事前にあまり構えないほうが、楽しんでいただけると思います。

    参加作家は青木美歌、井上嗣也、aircord、大森克己、エルンスト・ガンペール、ステファニー・クエール、黒田征太郎、しりあがり寿、鈴木康広、田島征三、立花文穂、遠山孝之、西村裕介、渡邊拓也の各氏。クリエイターの作品以外に、縄文土器からキティちゃんに至る「野生の依り代」なども展示されています。


    会場

    ここでは、3つの作品をご紹介しましょう。

    板から生えているように見えるのは、モクレンの実。絵本作家で美術家の田島征三さんは、モクレンの実に野性的な魅力を感じ、巨大な作品《獣の遠吠え》を作りました。

    器のような木の塊は、エルンスト・ガンペールさんの作品。ウッドターニング(高速で回転する刃で木材を削る技法)で、樹齢200~250年の樹から掘り出しました。静謐な作品ですが、木に内在する野生が剥き出しになったようにも見えます。

    イラストレーター・グラフィックデザイナーの重鎮である黒田征太郎さんは、ホテルのメモ用紙などに描かれたスケッチを出展。あまりにも膨大な量のスケッチは、黒田さんの内なる野生が描かせているとしか思えません。


    順に田島征三さん、エルンスト・ガンペールさん、黒田征太郎さんの作品

    会場の最後は、しりあがり寿さんの作品。野生から「秩序らしきもの」が現れる瞬間を表現した、という映像作品です。果たして「秩序らしきもの」とは…、爆笑必至です。

    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2017年10月19日 ]

    『野生の思考』 2016年12月 (100分 de 名著)『野生の思考』 2016年12月 (100分 de 名著)

    『野生の思考』 2016年12月 (100分 de 名著)

    NHK出版
    ¥ 566


    ■野生展 に関するツイート


     
    会場
    会期
    2017年10月20日(金)~2018年2月4日(日)
    会期終了
    開館時間
    10:00 - 19:00 (入場は18:30まで)
    休館日
    火曜日、年末年始(12月26日 - 1月3日)
    住所
    東京都港区赤坂9-7-6東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン内
    電話 03-3475-2121
    公式サイト http://www.2121designsight.jp/program/wild/
    料金
    一般1,100円、大学生800円、高校生 500円、中学生以下無料
    国立新美術館「安藤忠雄展―挑戦―」(会期:2017年9月27日 - 12月18日)の半券のご提示で、通常の入場料が100円相互割引(他の割引との併用不可。1枚につき1名、1回のみ)
    展覧会詳細 「野生展:飼いならされない感覚と思考」 詳細情報
    おすすめレポート
    ご招待券プレゼント
    学芸員募集
    歴史的建造物と庭園で働きたい方を募集! [東山旧岸邸]
    静岡県
    阪神甲子園球場職員(歴史館担当) [阪神甲子園球場(兵庫県西宮市、阪神電車「甲子園駅」徒歩3分)]
    兵庫県
    ほまれあ(三条市歴史民俗産業資料館別館)学芸員募集 [ほまれあ(三条市歴史民俗産業資料館別館)]
    新潟県
    KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭2026 サポートスタッフ募集(ボランティア) [京都文化博物館 別館、誉田屋源兵衛 竹院の間、京都市京セラ美術館 別本館 南回廊2階、Ygion、ASPHODEL、嶋臺ギャラリー、出町桝形商店街など [京都府]]
    京都府
    2026.4.1採用 国立新美術館 総務課研究補佐員(広報室)公募(2026年2月2日正午締切) [国立新美術館]
    東京都
    展覧会ランキング
    1
    国立新美術館 | 東京都
    ルーヴル美術館展 ルネサンス
    開催まであと252日
    2026年9月9日(水)〜12月13日(日)
    2
    国立西洋美術館 | 東京都
    オルセー美術館所蔵 印象派ー室内をめぐる物語
    開催中[あと46日]
    2025年10月25日(土)〜2026年2月15日(日)
    3
    森アーツセンターギャラリー | 東京都
    マチュピチュ展
    開催中[あと60日]
    2025年11月22日(土)〜2026年3月1日(日)
    4
    国立科学博物館 | 東京都
    特別展「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」
    開催中[あと54日]
    2025年11月1日(土)〜2026年2月23日(月)
    5
    寺田倉庫G1ビル | 東京都
    ガウディ没後100年公式事業 NAKED meets ガウディ展
    開催まであと10日
    2026年1月10日(土)〜3月15日(日)