
千葉市美術館「新版画 進化系UKIYO-Eの美」会場
江戸時代の浮世絵版画の技と美意識を継承すべく、大正初年から昭和のはじめにかけて興隆した多色摺木版画、新版画に焦点を当てた展覧会が、千葉県で始まる。
新版画は浮世絵版画と同様に「絵師・彫師・摺師」による分業によって制作。伝統的な技術を用いながらも、下絵は洋画や水彩画など幅広いジャンルの画家が自由な画題で描くことで、新しい画風と精緻な技術が融合し、数々の優品が生み出された。
新版画は1920年代からアメリカを中心に海外でも人気を集め、近年は国内でも吉田博や川瀬巴水ら新版画の作家たちの回顧展が開かれるなど、注目度が上がっている。
展覧会は昨年から東京・大阪・山口を巡回した展覧会の最終展で、橋口五葉、伊東深水、川瀬巴水、吉田博、山村耕花、吉川観方、小早川清など、新版画の成立から発展型への歴史を約190点の作品で紹介。
あわせて千葉会場では、新版画の先駆ともいうべき、明治末期に来日して日本の職人とともに木版画を制作したヘレン・ハイドとバーサ・ラムの作品約50点も展示する。
「新版画 進化系UKIYO-Eの美」は千葉市美術館で2022年9月14日(水)~11月3日(木・祝)に開催。入館料は一般 1,200円など。

千葉市美術館「新版画 進化系UKIYO-Eの美」会場

千葉市美術館「新版画 進化系UKIYO-Eの美」会場

千葉市美術館「新版画 進化系UKIYO-Eの美」会場