東京藝術大学大学美術館「大吉原展」会場
幕府公認の遊廓だった吉原遊廓に焦点をあて、その歴史・文化を美術を通して検証する展覧会が東京で開催される。
約10万平方メートルの敷地に約250年に渡って続いた吉原遊廓は、他の遊廓とは一線を画す、公界としての格式と伝統を備えた場所だった。
武士であっても刀を預けるしきたりを持ち、洗練された教養や鍛え抜かれた芸事で客をもてなし、夜桜や俄(にわか:即興芝居)など季節ごとに町をあげて催事が行われ、江戸における文化発信の中心地であったといえる。
吉原の風俗は多くの浮世絵師たちによって描かれ、蔦屋重三郎などの出版人や文化人たちが吉原を舞台に活躍した。
展覧会では、ワズワース・アテネウム美術館や大英博物館からの里帰り作品を含む国内外の名品の数々を紹介。
菱川師宣、英一蝶、喜多川歌麿、鳥文斎栄之、歌川国貞、葛飾北斎、酒井抱一、高橋由一、鏑木清方らによる絵画や、妓楼「三浦屋」を再現した巨大なミニチュア、辻村寿三郎の江戸風俗人形などで、吉原遊廓の全貌に迫る。
「大吉原展」は、東京藝術大学大学美術館で2024年3月26日(火)~5月19日(日)に開催。4月21日(日)までの前期展と4月23日(火)からの後期展で展示替えがある。
観覧料は当日券が一般 2,000円など。
東京藝術大学大学美術館「大吉原展」会場
東京藝術大学大学美術館「大吉原展」会場
東京藝術大学大学美術館「大吉原展」会場
東京藝術大学大学美術館「大吉原展」会場