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    ハニワや土偶に魅せられた芸術家たち ― 今秋、東京国立近代美術館で「ハニワと土偶の近代」展
    (掲載日時:2024年5月30日)

    「ハニワと土偶の近代」
    「ハニワと土偶の近代」

    縄文時代につくられた土偶と、古墳時代につくられた埴輪(ハニワ)など、古い地層から出土した遺物からインスピレーションを受けた芸術作品を紹介する展覧会が、今秋、東京で開催される。

    考古学の資料として扱われていた出土遺物は、戦後になって岡本太郎やイサム・ノグチらが美的な価値を見出して「発見」。

    その後も、多くの人々が地中から掘り出された遺物に着目し、美術に限らず、工芸、建築、写真、映画、演劇、文学、さらには教育番組にいたるまで、埴輪や土偶は幅広い領域で文化現象を巻き起こしていった。

    展覧会では、近代以降に埴輪や土偶が芸術として語られるようになったことを踏まえ、出土品を克明に描いた明治時代のスケッチからマンガまで、幅広いジャンルの作品を紹介する。

    展覧会構成は、序章「好古と考古 ― 愛好か、学問か?」に続き、「『日本』を掘りおこす ― 神話と戦争と」「『伝統』を掘りおこす ― 「縄文」か「弥生」か」「ほりだしにもどる ― となりの遺物」の3章。

    なお、時代順でいえば土偶が先で埴輪が後になるが、近代の美術作品や美術展で取り上げられたのは、圧倒的に埴輪が早く、土偶(縄文)ブームは後にきたことから、展覧会タイトルは「ハニワと土偶の近代」と、埴輪が先になった。

    また、多くの世代に見てもらいたいという教育的な側面から漢字による「埴輪」表記は避け、平仮名表記の「はにわ」では文章の「てにをは」との区別がつきにくいことから、「ハニワ」とカタカナ表記となった。

    「ハニワと土偶の近代」は東京国立近代美術館で2024年10月1日(火)~12月22日(日)に開催。

    今回の展覧会の会場である東京国立近代美術館では、開館2年目の1954年の「現代の眼 ― 日本美術史から」展で、埴輪の群像のインスタレーションを展示するなど、意外にも以前から出土遺物にも目を向けていたという過去ももつ。

    なお、同時期に東京国立博物館でも特別展「はにわ」が開催(10/1〜12/8)。本展は、東京国立博物館での特別展も踏まえて企画された展覧会であり、本展には本物の埴輪や土偶はほぼ出展されない。

    記者発表会に登壇した、小松弥生 東京国立近代美術館 館長
    記者発表会に登壇した、小松弥生 東京国立近代美術館 館長

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