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レポート
北条氏展 vol.2 鎌倉武士の時代 ― 武士の姿への憧憬 ―
鎌倉国宝館 | 神奈川県

NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の放送に合わせ、鎌倉国宝館と鎌倉歴史文化交流館ではコラボ企画が始まりました。交流館は主に「文」の側面から、国宝館では鎌倉武士の「武」の展示を行います。



 


国宝館では、鎌倉武士にまつわる浮世絵版画や屏風絵、武具などから、鎌倉時代の武士の姿へ憧憬が生まれる様子を追っています。



展示風景


激しい戦いを伝える屏風絵や武具

展示室の両サイドに展示される源平合戦を描いた屏風がひときわ目をひきます。こちらは那須与一が海上で扇の的を打ち抜いた屋島の戦いを中心に描いた屏風です。



源平合戦図屏風 江戸時代 鶴岡八幡宮


反対側の屏風は一之谷の合戦の様子です。義経が険しい山間から血気盛んに駆け降りる鵯越逆落としの様子が左隻二扇に描かれています。



一之谷合戦図屏風 江戸時代 馬の博物館


屏風の前には重要文化財の兜や鞍が並び、戦乱の世が史実であることを伝えます。



展示風景:武具


武具を美術品としてだけでなく、戦いの道具として見ると、屏風は映画の背景のようです。リアルな戦いが目に浮かびます。


浮世絵に描かれた鎌倉武士

壁面の展示は頼朝や義経に関する浮世絵が中心です。 大きな頼朝像の軸の左右を、江戸時代に描かれた頼朝にまつわるエピソードの浮世絵が囲みます。「鎌倉殿の13人」でも登場したシーン「源頼朝平家追討論旨之図」や「石橋山大合戦之図」では当時の人を魅了しました。ドラマを見ている私たちと同じです。



展示風景:源頼朝関連


左側の壁面は、義経に関するエピソードの浮世絵を展示。



展示風景:源義経関連


頼朝と対立した義経、静御前を伴い京から九州に向かう折、船が嵐に遭い戻されます。義経と別れた静は捕らえられ鎌倉へ送られました。鶴岡八幡宮社頭で頼朝から舞うことを命ぜられ、義経を慕う歌を唄い頼朝は激怒。しかし政子が取り成したという「鶴岡社頭静御前舞之図」。

一之谷の戦いに勝利した義経が臣下を集めて西国へ出陣する様子を描いた「義経十九臣之図全」は『源平盛衰記』 『平治物語』 『義経記』 『平家物語』などの典拠によって19人のメンバーに差異が見られます。


江戸時代は戦乱もなく泰平の世となり、人々は歌舞伎や浮世絵を介して、鎌倉武士の姿を偲ぶようになりました。鎌倉時代の豊富なエピソードは切り取られ、肉付けされ、武士への憧れを喚起しました。



展示風景:和田義秀関連


義経の物語は歌舞伎の演目にもなり人気を博します。義経の衣装は源氏の笹竜胆、 弁慶は輪宝の模様など、一目でわかるよう工夫もされました。

「文武両道」と言われるように武士は「文」の面も必要でした。和歌や信仰などの側面を紹介した展示された鎌倉歴史文化交流館と両輪でとらえると、鎌倉武士の姿がより鮮明に浮かびあがると思われます。



鎌倉歴史文化交流館入口


ドラマを見ているとこれは史実?伝承?フィクション?と考える場面もあります。鎌倉時代の武士の物語は、伝承も加わりながら今に伝わりました。江戸~明治の浮世絵版画などを通して、あるいはドラマとも比較し、どのように受容され、また現代に引き継がれているのかを合わせて楽しめる展覧会です。


[ 取材・撮影・文:コロコロ / 2022年4月13日 ]


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会場
鎌倉国宝館
会期
2022年4月9日(Sa)〜6月12日(Su)
会期終了
開館時間
9:00~16:30(入館は16:00まで) 
休館日
月曜日(祝日の場合は翌平日)、展示替え期間5月10日(火)~13日(金)
住所
〒248-0005 神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-1 鶴岡八幡宮境内
電話 0467-22-0753
公式サイト https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kokuhoukan/
料金
一般:700円(600円) 小・中学生:300円(200円) ※( )内は20名以上団体料金
展覧会詳細 北条氏展 vol.2 鎌倉武士の時代 ー武士の姿への憧憬ー 詳細情報
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