『幽☆遊☆白書』などのヒット作品で知られる漫画家、冨樫義博氏。複雑な世界観と読者を惹きつけるキャラクターで漫画界屈指のストーリーテラーと称され、数々の作品は読者のみならず多くのクリエイター達をも魅了しています。
画業35年を記念し、直筆の漫画原稿やカラーイラストなど、総数350点以上の貴重な原画・制作資料を紹介する展覧会が、森アーツセンターギャラリーで開催中です。

森アーツセンターギャラリー「冨樫義博展 -PUZZLE-」
会場は賑やかなプロローグエリアから始まります。
冨樫氏の歴代作品に登場したキャラクターたちがパズルピースとなってお出迎え。独特の作品世界に誘います。

プロローグエリア
本展は『幽☆遊☆白書』『レベルE』『HUNTER×HUNTER』の3作品が中心。まずは『幽☆遊☆白書』(1990~1994年)です。
車に轢かれそうになった子どもを庇って死んだ不良中学生・浦飯幽助が、霊界探偵として現世に蘇り、凶悪な妖怪たちによる事件を解決していくストーリー。
連載当初から話題となり、第39回小学館漫画大賞を受賞。TVアニメも高視聴率を記録し、日本だけでなく世界的な大ヒット作品です。

『幽☆遊☆白書』エリア
続いて『レベルE』(1995年~1996年)。高校進学を機に一人暮らしをはじめた筒井雪隆が、天才的な頭脳と宇宙一迷惑な性格を併せ持つドグラ星の「バカ王子」と同居生活することになる物語です。
ここでは、宇宙人と地球人の奇妙な交流を描いたSFストーリーが、時空が歪んだかのような空間の中で、エピソードごとに展示されています。

『レベルE』エリア
『HUNTER×HUNTER』(1998年~)は、父と同じ「ハンター」になるために、故郷を旅だった少年ゴンの物語。ハンター試験で出会った仲間とともに、数々の試練を乗り越え成長していきます。
シリーズ累計発⾏部数(デジタル版含む)は8,400万部を突破。2度のTVアニメ化やゲーム化などメディアミックスも好調で、現在でもファンを魅了し続けています。

『HUNTER×HUNTER』エリア
特設的なコーナーが「“奇”生物の世界」のエリアです。冨樫氏の作品には、強烈なインパクトを残していく奇怪なデザインの生物たちが時折登場します。
『幽☆遊☆白書』『レベルE』『HUNTER×HUNTER』で描かれた「“奇”生物」を一堂に集めてご紹介します。

「“奇”生物の世界」エリア
会場最後は「冨樫義博」エリア。冨樫氏は⼭形県新庄市出身。1987年に「週刊少年ジャンプ増刊 Winter Special」に掲載された読切作品『とんだバースディプレゼント』でデビューしました。
賑やかな空間で、初期作品の原稿、各作品のカラーイラスト、そして最新の描きおろしキービジュアルイラストなどを展示。クリエイターからのメッセージも並びます。

「冨樫義博」エリア
展覧会の公式ショップにはオリジナルグッズを多数用意。
商品によっては完売する場合もあるので、ファンの方はお早目にお越しください。

展覧会オリジナルグッズ
会場に隣接する「THE SUN & THE MOON (Cafe)」も展覧会とコラボし、「Pieces Cafe」を期間限定で展開。オリジナルメニュー10品を用意しました。
コラボメニューを注文すると、ここでしか手に入らないオリジナルコースターが、メニュー1品のオーダーに対してランダムで1枚プレゼントされます。

「Pieces Cafe」コラボメニュー
展覧会は、大阪、福岡にも巡回が決定。まだ詳細は発表されていませんが、決定次第「冨樫義博展」の公式サイト、そしてアイエムの巡回展コーナーでもご紹介します。お楽しみに。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2022年10月27日 ]
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