読者
    レポート
    “ピンチエンターテインメント”が東京へ ― 鈴木のりたけ「大ピンチ展!プラス」(読者レポート)
    PLAY! MUSEUM | 東京都

    絵とことばのミュージアム「PLAY! MUSEUM」では、シリーズ累計270万部を突破したミリオンセラー『大ピンチずかん』(小学館)の展覧会「大ピンチ展!プラス」が開催されています。全国巡回の立ち上がりとなった横浜会場では、4万人を超える動員を記録しSNSなどでも大きな話題となりましたが、今回はさらにPLAY! MUSEUM限定で、デビュー作品の絵本原画や『大ピンチずかん』のラフスケッチなどの特別展示がプラスされています。


    「大ピンチ倒れそうなケーキ」
    「大ピンチ倒れそうなケーキ」


    会場内は4つのピンチ「みるピンチ」「なるピンチ」「かんがえるピンチ」「とびこむピンチ」で構成され、それぞれ『大ピンチずかん』の世界をリアルに体験できる参加型の展覧会となっています。わが家もご多分に漏れず『大ピンチずかん』ファンとして、眼前に広がる大ピンチワールドに興奮を隠せませんでした。


    会場風景
    会場風景


    会場に入るとまず「みるピンチ!」として、倒れそうなケーキやこぼれた牛乳など巨大化された大ピンチが待ち構えています。絵本の男の子と同じ髪型になれる帽子をかぶって記念撮影するもよし、ピンチを体感するもよし、来場者の思い思いにピンチを楽しみながら一気に『大ピンチずかん』の世界へ引き込まれていきます。


    「いぬの大ピンチ!」
    「いぬの大ピンチ!」


    「フンの大ピンチ!」
    「フンの大ピンチ!」


    ただでさえ危険な大ピンチですが、巨大化するとさらにインパクトが増しますね。ちなみにフンの大ピンチは巨大化ではなく大増量です。子どもたちはそんな危ない状況が大好き。キャッキャと喜んで走りぬけていきました。


    「大ピンチクモのす」
    「大ピンチクモのす」


    「なるピンチ!」は、ピンチに遭遇したときに遊びで乗り越えよう!というコンセプトです。蜘蛛の巣に引っ掛かったらボールを投げて遊べる作品をはじめ、トイレが使用中でノックすると声が聞こえる扉や、パンの黒焦げで絵を描くことができる仕掛けなどがあります。どれも体をつかって体験するものばかりなので子どもたちも夢中になって飽きることはありません。


    「大ピンチトイレ」
    「大ピンチトイレ」


    続く「かんがえるピンチ!」は来場者が自らかんがえてつくるピンチです。会場には「だれが、どこで、なにを、どうした」の4種類の大ピンチバーが数多く用意され、自由に言葉を組み合わせて新たなピンチをつくることができます。


    会場風景
    会場風景


    目をつむってランダムにバーを選んで偶然のピンチをつくってみたり、誰かが残していったピンチを楽しんだりと、来場者が一緒になって楽しめる場所になっています。長男も何度も作り直しながら自らつくった不思議なピンチを味わっていました。


    大ピンチバーをくぼみにはめ込む
    大ピンチバーをくぼみにはめ込む


    「とびこむピンチ!」は『大ピンチずかん』の表紙にもなっている、男の子が牛乳をこぼすシーンを立体化したもので、大ピンチファンにはたまらないこの展覧会の象徴的な作品です。中はボールプールのようになっていて、男の子のもつ牛乳パックの底から白い球体を入れて牛乳がこぼれてくるような体験を味わうことができます。


    大ピンチぎゅうにゅうぶろ」
    大ピンチぎゅうにゅうぶろ


    以上、鈴木のりたけさんの思いが詰まった「見て」「触って」「考えて」とにかく大ピンチで思いっきり遊ぶための展覧会でした。こんなにも遊べる展覧会はなかなか記憶にありません。また、紹介した体験型の4つのピンチの他にも、デビュー作『ケチャップマン』(2008年/文芸社ビジュアルアート、2015年復刊/ブロンズ新社)の原画など、鈴木のりたけの「絵の世界」も楽しむことができました。

    子どもたちはきっとこれからたくさんのピンチに遭遇するでしょう。そんなときは今回の体験とともに「大ピンチなんてこわくない!大ピンチかどうかはきみしだいなんだ」という鈴木のりたけのメッセージを思い出して欲しいと思います。


    そう。大ピンチなんてこわくない!
    そう。大ピンチなんてこわくない!


    [ 取材・撮影・文:かとうあつし / 2025年10月7日 ]


    会場
    PLAY! MUSEUM
    会期
    2025年10月8日(水)〜12月20日(土)
    もうすぐ終了[あと4日]
    開館時間
    10:00-17:00(土日祝は18:00まで/入場は閉館の30分前まで)
    休館日
    ※無休
    住所
    東京都立川市緑町3−1 GREEN SPRINGS内 W3棟 2F
    電話 042-518-9625
    料金
    一般1,500円/大学生1,000円/高校生800円/中学生600円/小学生600円
    展覧会詳細 「鈴木のりたけ「大ピンチ展!プラス」」 詳細情報
    読者レポーターのご紹介
    エリアレポーター募集中!
    あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?
    おすすめレポート
    学芸員募集
    阪神甲子園球場職員(歴史館担当) [阪神甲子園球場(兵庫県西宮市、阪神電車「甲子園駅」徒歩3分)]
    兵庫県
    【公益財団法人 ポーラ伝統文化振興財団】学芸員募集! [ポーラ伝統文化振興財団(品川区西五反田)141-0031 東京都品川区西五反田2-2-10 ポーラ五反田第二ビル]
    東京都
    長野県立美術館 学芸員募集中! [長野県立美術館]
    長野県
    令和7年度採用 契約職員募集 [静岡科学館、清水文化会館、生涯学習センター(予定)]
    静岡県
    江戸東京博物館 接客案内責任者募集 [江戸東京博物館]
    東京都
    展覧会ランキング
    1
    サンシャインシティ | 東京都
    アニメーション 呪術廻戦 展「懐玉・玉折」「渋谷事変」
    もうすぐ終了[あと13日]
    2025年12月5日(金)〜12月29日(月)
    2
    寺田倉庫G1ビル | 東京都
    ガウディ没後100年公式事業 NAKED meets ガウディ展
    開催まであと25日
    2026年1月10日(土)〜3月15日(日)
    3
    TOKYO NODE | 東京都
    Mrs. GREEN APPLE MGA MAGICAL 10 YEARS EXHIBITION『Wonder Museum』
    開催中[あと24日]
    2025年12月6日(土)〜2026年1月9日(金)
    4
    森アーツセンターギャラリー | 東京都
    マチュピチュ展
    開催中[あと75日]
    2025年11月22日(土)〜2026年3月1日(日)
    5
    アーティゾン美術館 | 東京都
    クロード・モネ -風景への問いかけ
    開催まであと53日
    2026年2月7日(土)〜5月24日(日)