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レポート
泰巖歴史美術館がオープン
充実の戦国史料は、期待値以上
【6/2から再開】信長、秀吉、家康など、戦国時代に活躍した武将達の歴史史料を展示する新しい美術館が東京・町田市にオープン。館内に安土城の天主閣を原寸大で再現、信長ゆかりの貴重な古文書も数多く展示している泰巖歴史美術館をご紹介します。
美術館2階から 天主閣と同じ高さで、奥まで見通せます
美術館3階「信長の時代」
(左から)《織田信長黒印状 織田信忠宛》 / 《織田信長・織田信忠肖像》
美術館4階「合戦の時代」
重要文化財《太刀 銘「来国光」》鎌倉時代
火縄銃が並びます
美術館5階「信長と茶の湯」
再現された国宝の茶室「待庵」

2020年3月22日(日)に開館した、泰巖(たいがん)歴史美術館。東京・町田市で住宅や不動産を手がける太陽グループの山中泰久氏が蒐集したコレクションを管理する、一般財団法人太陽コレクションが開設しました。


所蔵品は戦国時代から江戸時代初期に至る古文書・書画・武具・茶道具などが中心。歴史的に重要な意味を持つ史料も含まれています。


「泰巖」は、織田信長の戒名である「総見院殿贈大相国一品泰巖尊儀」の一部。「泰然自若として威厳のある」という意味です。


立地は、小田急線町田駅北口より徒歩5分。住宅地の中にある、亀甲模様の建物が目印です。


館に入ってすぐに目に入るのが、実物大に近い規模で再現された安土城天主閣。信長が1576(天正4)年に築いた安土城は、日本で初めて天主が設けられた城とされています。


信長の死後に焼失した安土城には不明な点が多いものの、今回は過去の文献を手がかりに復元。最上層は金箔、内部は天井絵が描かれた格天井、下層の八角屋根は総朱塗りといわれる、いにしえの姿がよみがえりました。


美術館の2階に上がると、天主閣と同じ高さ。天主閣は有事の際以外は使われない事が多いのですが、信長はこの天主に居住したと言われています。


2階では信長の生涯を追った映像「織田信長の至宝」も。約19分と長めですが、信長の生涯がドラマチックに描かれており、見どころたっぷりです。ぜひ通して鑑賞ください。



3~5階が展示室で、まず3階は「信長の時代」。信長の一族、家臣、そして同時代の戦国武将らによる書状類が並びます。


信長が最も恐れたのが、“甲斐の虎”武田信玄と“越後の龍”上杉謙信です。信長は両者との決定的な対立を避けており、その関係を物語る書状は注目されます。


来館者の人気を最も集めているのが、4階「合戦の時代」。室町幕府の権勢が低下し、守護大名に代わって全国各地に戦国大名が勃興。領土拡大を目指して他の大名と争い、合戦の時代に突入します。


集団での戦いや、鉄砲の登場など、戦術の変化もあり、戦国時代の甲冑は大きく発展しました。実用性が重視されると同時に、当時の武士の気質を反映し、奇抜な意匠も多く見られます。


展示室には武器も展示。重要文化財を含む日本刀の他、奥には火縄銃がずらり。戦国時代末期の日本には50万以上の鉄砲があったとされ、当時は世界最大の鉄砲保有国でした。


5階は「信長と茶の湯」。京都・妙喜庵にある国宝の茶室「待庵」を再現、展示ケースには茶道具が並びます。


茶の湯を愛した信長。“名物狩り”で畿内と近隣諸国から茶道具を集め、しばしば茶会を開催しました。茶の湯を利用した統率「御茶湯御政道」は、秀吉の時代にも引き継がれていきました。


取材前は「町田に戦国武将の博物館?」と思っていましたが、予想を大きく上回る充実ぶりです。歴史ファンはもとより、目を引く戦国史料は、訪日外国人にもおすすめできそうです。


[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2020年3月24日 ]


戦国時代戦国時代

永原 慶二 (著), 本郷 和人 (解説)

講談社
¥ 1,859

会場
会期
2020年3月22日(日)オープン
住所
東京都町田市中町1-4-10
電話 042-726-1177
公式サイト https://www.taiyo-collection.or.jp/
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