マウリッツハイスは、オランダ語で「マウリッツ邸」の意。公式名称は「王立絵画陳列室マウリッツハイス」です。美術館としての規模は決して大きくありませんが、17世紀のオランダ・フランドル絵画の優品を中心としたコレクションの質の高さには定評があります。
第1章 美術館の歴史展覧会は6章構成です
第1章 美術館の歴史
第2章 風景画
第3章 歴史画(物語画)
第4章 肖像画と「トローニー」
第5章 静物画
第6章 風俗画
動線は地下1階から入り、1階、2階へと進む流れです。4月にリニューアルした東京都美術館は上下階への移動がスムーズになったことが、目玉のひとつ。上に向かうエスカレーターで、期待感が高まります。
第2章 風景画お目当ての《真珠の耳飾りの少女》はエスカレーターをひとつ上がった先。1階の第4章です。
第4章 肖像画と「トローニー」。この奥です
その視線に吸い込まれるようです東洋をイメージさせる青いターバン、口許に表現されたわずかな光の照り返し…。フェルメールブームの中で広くとりあげられている作品なので、44.5×39cmの絵は小ぶりに感じるかもしれませんが、その存在感は圧倒的です。
17世紀のオランダは風俗画、風景画、静物画などが好まれ、レンブラントやフェルメールが腕を競った絵画の黄金時代。一方のフランドル地方(現在のベルギー)は宗教画も勢力を保ち、ルーベンスやヴァン・ダイクが活躍しました。
あけっぴろげな笑顔が印象的なフランス・ハルスの《笑う少年》の奥には、最晩年の《自画像》など一挙6点が出展されているレンブラントがずらり。《真珠の耳飾りの少女》の後も贅沢な展示が続きます。
第4章 肖像画と「トローニー」第5章 静物画《真珠の耳飾りの少女》は1984年、2000年に次いで3回目の来日ですが、前回は大阪だけの開催だったため、東京での展示は28年ぶり。大きな人気を呼ぶと思われますが、これは見逃すわけにはいきません。8月1日(水)、8日(水)、22日(水)、29日(水)の4日間限定ですが、入場者数制限付きのプレミアム夜間鑑賞会も開催されます。
会期後は関西に巡回。
神戸市立博物館で2012年9月29日(土)~2013年1月6日(日)に開催されます。(取材:2012年6月29日)
※作品全てマウリッツハイス美術館蔵