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    レポート
    フランシス・ベーコン展
    東京国立近代美術館 | 東京都
    超高額の人気作家、没後初上陸
    叫んだり、歪められたりしている人物を描いたフランシス・ベーコン。没後20年にあたる本年、日本ではもちろんアジアでも没後はじめてとなる回顧展が、東京国立近代美術館ではじまりました。
    左から《スフィンクスⅢ》《スフィンクス-ミュリエル・ベルチャーの肖像》
    右から《人体の三習作》《ジョン・エドワーズの肖像のための三習作》

    「ピカソと並ぶ美の巨匠」というサブタイトルが付けられた本展。日本ではピカソほどの知名度はありませんが、生誕100年となる2008年~09年には回顧展がテート・ブリテン(英国)、プラド美術館(スペイン)、メトロポリタン美術館(米国)に巡回するなど、特に欧米では高い人気を誇ります。


    オークションに出る作品は数十億円で取引され、報道を賑わせることもしばしば。そのために「展覧会を開催するのが最も難しいアーティストのひとり」ともいわれ、日本では生前の1983年に回顧展が開催されたのが最後でした。


    展覧会の構成は「移りゆく身体 1940s-1950s」「捧げられた身体 1960s」「物語らない身体 1970s-1992」の3章です。


    ベーコンの歪んだ人物は「外見が似ているか似ていないかを超えて存在感を伝えるための努力の結果」(展覧会図録より)。本展ではベーコンにとって最も重要だった「身体」に着目して、その表現方法の変遷をたどります。


    《ジョージ・ダイアの三習作》 1969年 ルイジアナ近代美術館<br>


    展覧会メインビジュアルの《ジョージ・ダイアの三習作》は、第2章での展示。描かれているジョージ・ダイアは、当時ベーコンの恋人だった若者です。


    ベーコンは粗野な“こそ泥”だったダイアに惹きつけられ、繰り返しモデルにしましたが、ダイアは1971年のベーコンの大回顧展の直前に自殺(二人の関係は映画「愛の悪魔」にもなりました)。図録では、3つの顔に描かれた黒い円形が、ダイアの自己破壊を表現しているのでは?と解説されています。


    ベーコンを象徴する作品の形態が三幅対(トリプティック)。第3章では、大型の三幅対が4点展示されています。


    《三幅対》 1991年 ニューヨーク近代美術館<br>


    こちらの三幅対は、ベーコンが亡くなる数カ月前の作品。この作品をどうしても入手したかったニューヨーク近代美術館は、他のベーコン作品を含むいくつかの所蔵品を手放してまで手に入れました。


    展覧会企画者による連続講演会など、関連プログラムも豊富。高い評価の理由は、会場で感じていただきたいと思います。


    なお本展は、2013年6月8日(土)~9月1日(日)に豊田市美術館に巡回します。(取材:2013年3月7日)


    芸術新潮 2013年 04月号

     

    新潮社
    ¥ 1,400

    料金一般当日:1,500円
     → チケットのお求めはお出かけ前にicon

    会場
    会期
    2013年3月8日(金)~5月26日(日)
    会期終了
    開館時間
    10:00~17:00(入館は16:30まで)
    ※金曜・土曜は20:00まで開館(入館は19:30まで)
    休館日
    月曜日(ただし3/25、4/1、4/8、4/29、5/6は開館)、5/7
    住所
    東京都千代田区北の丸公園3-1
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    03-5777-8600 (ハローダイヤル)
    公式サイト http://bacon.exhn.jp/
    料金
    【当日】
    一般 1,500円 大学生 1,100円 高校生 700円
    【前売】
    一般 1,300円 大学生 900円 高校生 500円
    【団体】
    一般 1,100円 大学生 800円 高校生 400円
    ※団体は20名以上
    ※料金はすべて消費税込
    ※中学生以下、障害者手帳をご提示の方とその付添者(1名)は無料
    ※前売券は2013年1月8日から3月7日まで販売予定
    ※詳細は「フランシス・ベーコン展」公式HPをご覧ください。
    展覧会詳細 「フランシス・ベーコン展」 詳細情報
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