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    レポート
    曽谷朝絵展「宙色(そらいろ)」
    水戸芸術館現代美術ギャラリー | 茨城県
    大会場に映える、鮮やかな光と色
    油彩や水彩・パステルなどの絵画、偏光フィルムやマグネットシートを使ったインスタレーション、そして新作の映像作品まで。鮮やかな光と色で見る人を圧倒する曽谷朝絵(そやあさえ)さんの個展が、水戸芸術館 現代美術ギャラリーで開催中です。
    《鳴る光》2013
    《Washbowl》2001(左)
    《Airport Eastgate》2007(右)
    《宙》2013
    《Slider 5》2011(右)
    《第3室「宙」のためのアニメーション原画、イメージドローイング》2013
    第6-a室
    《鳴る色》2013
    《鳴る光》2013
    曽谷朝絵さんは東京藝術大学大学院を2006年に卒業。2001年に「第6回昭和シェル石油現代美術賞展」グランプリ、2002年に「VOCA展2002」VOCA賞(グランプリ)を受賞するなど在学中から活躍し、注目を集めている若手アーティストです。

    本展では「Bathtub」「Slider」「The Light」「Airport」などの絵画57点、ドローイング38点、そしてインスタレーション4点と、曽谷さんの代表作から新作まで網羅しました。


    会場導入

    藝大での専攻は油彩でしたが、近年は活動の場を広げている曽谷さん。初の映像インスタレーション作品《宙》(そら)は、第3室で展示されています。

    プロジェクターからの映像が鏡面の球体に反射して、暗い展示室の全体に投影。室内にはクッションがあり、座って見ることができます。

    展示室は上部が窄まった形で、ゆっくりと色と形が変わっていく映像を見上げていると、まるで色彩の森に包みこまれたような不思議な気分になります。


    《宙》2013

    対照的に展示室全体が明るい光に包まれているのは、第5室の《鳴る光》。光が発する音の波紋を表現した作品で、偏光フィルムを用いて、音を調律するように光と色を操っています。

    展示室には靴を脱いで上がることができ、違う角度から見ると模様の色の変化を楽しめます。

    ちなみに会場はこの作品も含め、撮影可能な場所が3カ所あります(フラッシュ・三脚・動画は不可です)。


    《鳴る光》2013

    長い廊下状の第6室は、壁面をグラデーションで彩色。「水の心電図」をイメージしており、それぞれの色の面で、小作品がカテゴリごとに展示されています。

    本展は、会場全体のディレクションも曽谷さん。印象的な展覧会のタイトルロゴも、曽谷さんが手がけています。


    小品が並ぶ第6-a室

    水戸芸術館では2003年の「こもれび展」と、2011年の「CAFE in Mito 2011」と2つのグループ展に曽谷朝絵さんが出展していますが、今回が美術館レベルでは初の大型個展。

    大きな会場に映えるインスタレーションは夏休みで訪れる子どもたちにも好評で、《宙》の展示室からなかなか出てこないと聞きました。

    10月中旬には、水戸の中心市街地を舞台にしたパブリックアートも展示される予定です。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2013年8月27日 ]

    曽谷朝絵作品集 宙色(そらいろ)

    曽谷朝絵 (著)

    青幻舎
    ¥ 3,990

     
    会場
    会期
    2013年7月27日(土)~10月27日(日)
    会期終了
    開館時間
    10:00~18:00(入場17:30まで)
    休館日
    月曜日休館 ただし9月16日(月・祝)、9月23日(月・祝)、10月14日(月・祝)は開館。9月17日(火)、9月24日(火)、10月15日(火)は休館
    住所
    茨城県水戸市五軒町1-6-8
    電話 029-227-8111(代表)
    029-227-8111 (代表)
    公式サイト http://arttowermito.or.jp/
    料金
    一般 800円/前売り・団体(20名以上) 600円
    中学生以下、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料
    展覧会詳細 「曽谷朝絵展 「宙色(そらいろ)」」 詳細情報
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