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レポート
水 神秘のかたち
サントリー美術館 | 東京都
水を願う、水を祈る
豊かな水が育んできた、日本の風土。水は命の源であると同時に暮らしに近い存在でもあり、日本では古くから祈りの対象として表されてきました。神仏を中心に、水が生んだ信仰のかたちを紹介する展覧会が、サントリー美術館で開催中です。
(左から)《祇園社大政所絵図》個人蔵 / 《流水文銅鐸》八尾市立歴史民俗資料館蔵
(右手前)《弁才天坐像》個人蔵
(左から)《吉野御子守明神像》大和文華館蔵 / 重要文化財《水天供(石山寺校倉聖教のうち)》石山寺蔵 / 重要文化財《水天像》園城寺蔵
(左から)《童子形神坐像》 瀬戸神社蔵 / 《女神坐像》 瀬戸神社蔵
(左から)国宝《善女龍王像》定智筆 金剛峯寺蔵 / 《法隆寺花山龍池縁起》顕真筆 法隆寺蔵 / 《龍王坐像》法隆寺蔵
(左手前と、並んだ右奥)重要文化財《春日龍珠箱》 奈良国立博物館蔵
(右手前)《彦火々出見尊絵巻 巻中》狩野養信、中信、立信模写 東京国立博物館蔵
(左から)《滝梅楓模様小袖》サントリー美術館蔵 / 《青楓瀑布図》円山応挙筆 サントリー美術館蔵
2005年から「水と生きる SUNTORY」をグループのコーポレートメッセージとして掲げているサントリー美術館にはぴったりの展覧会。まず第1章は、水の神秘的な力にまつわる作例が紹介されます。

最初の展示品は、流水を象った文様が刻まれた《流水文銅鐸》。早くも弥生時代の農耕祭器に、水への信仰が現れています。

1章奥の重要文化財《日月山水図屏風》は、展覧会の目玉のひとつ。大阪の金剛寺で灌頂儀式(修行僧などが香水を頭に注ぐ儀式)に使用されたと伝わり、水のうねりがダイナミックに描かれています。


第1章「水の力」

第2章は「水の神仏」。水を神仏として祀った例としてまずあげられるのが、仏教の弁才天。現在では七福神の一尊ですが、もとは古代インドの河を神格化した存在でした。

弁才天の頭頂部にみられる、老翁の顔を持つ白蛇は、宇賀神。こちらは日本に古来から伝わる神で、習合して宇賀弁才天になりました。

近世になると宇賀神は独立。本展でも高さ52cmの堂々たる宇賀神像(大阪・本山寺蔵)が、1月7日から出展されます。図録で見ると相当なインパクトで、お披露目が楽しみです。


第2章「水の神仏」

展覧会のメインといえるのが、次の第3章。水に対する祈りの諸相が紹介されます。

「水への信仰」としてすぐにイメージできるのが、祈雨(雨乞い)。五穀豊穣のために龍神(雨を司る神)に風雨の順行を祈願するのは、国家の安泰に繋がる重要事項でした。

漆塗の大きな箱は、龍が持つ宝珠(龍珠)を納めたと伝わる《春日龍珠箱》。二重になっている内箱は、四面すべてが波濤の模様。水の神の力を現すにふさわしい、力強い意匠です。


第3章「水に祈りて」

さらに会場は、豊かな水とともにある理想郷を仏画や絵巻などで紹介する第4章「水の理想郷」、吉祥の意味合いの中で水流や滝の姿を取りいれた第5章「「水と吉祥」、水とともに豊かに生きてきた人々の姿を屏風から読み取る第6章「水の聖地」と続きます。

特に最後の屏風は、楽しげな人々の姿はかなり細かな描写です。お持ちでしたらミュージアムスコープをお忘れなく。


第4章~第6章

年末年始を挟む展覧会ですが、1月5日(火)だけは「まるごといちにち こどもびじゅつかん!」。小中学生とその保護者を対象に、さまざまなイベントが開催されます。しかも入館料は無料!若いパパママが羨ましいです。

サントリー美術館での展示は、2016年2月7日(日)まで。4月9日(土)~5月29日(日)に京都の龍谷大学龍谷ミュージアムに巡回します。[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2015年12月15日 ]

※会期中に展示替えがあります。

仕事帰りの寄り道美術館仕事帰りの寄り道美術館

自由国民社 (編集)

自由国民社
¥ 1,620

料金一般当日:1,300円
 → チケットのお求めはお出かけ前にicon

 
会場
会期
2015年12月16日(水)~2016年2月7日(日)
会期終了
開館時間
10:00~18:00
休館日
火曜日、12月30(水)~2016年1月1日(金・祝)
住所
東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3F
電話 03-3479-8600
公式サイト http://suntory.jp/SMA/
料金
一般 1,300円/大学・高校生 1,000円
※中学生以下無料
※障害者手帳をお持ちの方は、ご本人と介護の方1名様のみ無料
展覧会詳細 水 神秘のかたち 詳細情報
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