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    レポート
    浦沢直樹展 描いて描いて描きまくる
    世田谷文学館 | 東京都
    手作業で積み重ねた、原稿3万ページ
    「YAWARA!」「MONSTER」「20世紀少年」などのヒット作品で知られる漫画家、浦沢直樹(1960-)さん。初の大規模展が世田谷文学館で開催中です。展覧会タイトルどおり、描きに描いた大量の原画が会場に並びます。
    『MASETRキートン Reマスター』直筆原稿 ©浦沢直樹・スタジオナッツ 長崎尚志 /小学館
    『YAWARA!』直筆原稿 ©浦沢直樹・スタジオナッツ/小学館
    『20世紀少年』直筆原稿 ©浦沢直樹・スタジオナッツ/小学館
    科目ごとのファイルに先生の似顔絵を描いた、大学時代のノート
    会場
    筆者の世代なら「YAWARA!」、若い人なら「20世紀少年」や「PLUTO」と、デビューから33年の間に発表された長編連載8作のすべてが大ヒットという稀代のヒットメーカー、浦沢直樹さん(そのため、打ち切りの経験が無い事にも驚かされます)。

    ジャンルもミリタリーアクション、スポーツ、ヒューマンドラマ、ミステリー、科学冒険漫画と多彩。魅力的なキャラクターを自在に操り、読者を手玉に取るようなストーリーは、多くのファンを惹きつけています。

    展覧会は浦沢さんの創作を網羅的に紹介する企画です。膨大な量の漫画原稿(単行本一冊丸ごと分あります)を核に、少年時代に描いた漫画ノートやストーリーの構想メモ、ネーム、下書きなどの資料も含めて幅広く紹介。幼少期からの常人ばなれした画才を見ると、こういう人だからヒットメーカーになれるんだ、と、妙に納得してしまいます。

    1階のキャラクターパネルのほか、2階の会場内にも撮影スポットが2カ所設置。ショップではオリジナルグッズも販売され、多くのファンで賑わっていました。


    「浦沢直樹展 描いて描いて描きまくる」会場

    漫画家の創作物はもちろん原画ですが、ここまで原画が溢れた展覧会は珍しい試み。浦沢さんの単行本はオリジナル版だけで約150冊、原稿は約3万ページに上りますが、全てが浦沢さんによる地道な手作業の積み重ねという事を思うと、気が遠くなりそうです。

    会場では作画の模様を撮影したムービーも紹介されていますが、手慣れた様子ながらも、1コマ1コマをとても丁寧に仕上げていく姿が印象的でした。

    なお、展覧会にあわせて出版された「浦沢直樹 描いて描いて描きまくる」には、担当者とのロングインタビューが収録されています。尊敬する故・手塚治虫が『浦沢氏、それはダメですよ』と目線を送るように感じる、など、楽しいエピソードが満載。14万5千字という長文ですが、一気に読み進んでしまいました。会場での販売のほか、書店やネットでも購入可能です。
    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2016年1月19日 ]

    浦沢直樹 描いて描いて描きまくる浦沢直樹 描いて描いて描きまくる

    浦沢 直樹 (著)

    小学館
    ¥ 2,700


    ■浦沢直樹展 に関するツイート


     
    会場
    会期
    2016年1月16日(土)~3月31日(木)
    会期終了
    開館時間
    10:00~18:00(入館17:30まで)
    休館日
    月曜日 ※ただし3月21日は開館し、翌22日休館
    住所
    東京都世田谷区南烏山1-10-10
    電話 03-5374-9111
    公式サイト http://www.setabun.or.jp/
    料金
    一般 800(640)円、高校・大学生・65歳以上 600(480)円、小・中学生 300(240)円
    ※()内は20名以上の団体料金。
    展覧会詳細 「浦沢直樹展 描いて描いて描きまくる」 詳細情報
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